6年半ぶりの、日本政府・日銀によるドル買い・円売り介入が行われました。介入は歴史的に各国で多くの回数行われてきましたが、一時的には効果を出しても、長めに見ると効果がないのが常識です。介入は中央銀行自身が儲けるために行うものではなく、その国の経済や資本市場を守るために行われるものですから、或る意味で介入者の主体(=中央銀行等)の視点から見ると非経済的な行動で、これが為替市場にボラティリティをもたらし、経済的な行動をする投資家に利益の源を与えていると考えることも出来ます。ですから私はFX市場におけるトレーディングが好きで、これは個人を含めた投資家にとってトレードし易い市場だと思っています。
しかし今日はそのことでなくて、日本が本当に久し振りに介入をしたこと自体について考えたいと思います。私はこれはいいことだと思います。介入には賛否両論があります。そのタイミングについても、後講釈的に色々と云われたりします。しかし為替市場を自国の都合のいい方向に動かそうとすることは、極めて重大な政治行動の一つであり、私は安全保障と人口構造設計と為替のコントロールだけが、政治の中で最も重要なアジェンダではないかと思ってしまうほどです。その重要な政治アジェンダの一つ、国としての意思表示を、過去4人の首相は実行しなかった訳ですが、それが久し振りに行使された。これはいいことです。少なくともいいことの前触れだと思いたいです。
日本の政治が、もっとノーマルになっていくこと-それは即ち国内でも世界の中でも競争と云うことを意識することだと思いますが-を願います。