今日、と或る場所で、コーポレートガバナンス(CG)について話をしました。日本の上場企業に関してです。相手は世界中の大手年金基金などのCG担当者が中心です。このテーマは難しいテーマで、論点はかなり多岐にわたります。しかも必ずしも全上場企業に一般化できないという問題もあります。それでもなお思うこと。

一つは上場企業は自らの意志で上場しているのであるから、そして上場株式は世界中の投資家が買うことが出来るのであるから、そういった世界の声を無視してはいけないということです。そしてもう一つは、CGというと「牽制の仕組み」が議論の中心になることが多くありますが、経営者は如何なる牽制の仕組みもないがしろにすることが可能であり、であるからこそ経営者には自制が求められるということです。

CGがあれば企業の成績が良くなる、株価が上がるとは思いません。しかし適切なCGは、企業や株価のリスク・リターンの関係を良くする効果はあるでしょう。上場企業(当社の親会社であるマネックスグループ)の経営者として、上場企業の社外取締役を務める身として、そして東証の取締役もしている身として、CGの問題はこれからも真剣に考えていきたいと思います。その文脈で、投資家の方とお話しをするのは、いつも多くの意義を含んでいると考えています。