今この原稿を書き始めているのは未だ後場が開いてる時間ですが、菅首相が円高対策に取り組む「強いメッセージ」を夕方に打ち出す、との発表がありました。さて、この発表の意図は何でしょう?

円高対策は、マーケットに対する策であり、例えば少子高齢化などへの対策と違い、タイミングが大切であり、期待とのギャップが重要な意味を持ちます。即ち、期待外れでは効果が半減しかねませんし、期待を超えた内容であれば-これはサプライズなどとも云いますが-、大きな効果を生むこともあります。マーケットでは常に、期待を裏切ることが-いい意味の場合と悪い意味の場合がありますが-、変動の原動力となります。何故ならばマーケットはその時点までの期待を織り込むことによって価格が形成されているからです。

「強いメッセージを出す」と予め告知することのメリットはあるでしょうか?「強いメッセージを出す」と云う発表自体に、永続的で大きな期待形成作用があるならば格別、普通に考えるとデメリットしかないように感じるのですが、これは私の杞憂かも知れません。いや、杞憂であることを願いたいと思います。長い一週間でした。皆様も良い週末をお過ごし下さい。