今年も鮎が解禁されました。あのちょっとした苦さと独特の香りが、特に酒飲みにはたまりません。

我が国で商業ベースに流通している鮎の殆どは、琵琶湖の養殖の鮎ですが、やはり鮎は天然の鮎に限ります。石についた藻を食べるので、あの独特の香りになると云われています。湖ではなく渓流を泳ぐので、身が締まります。そして酒飲みは高い天然の鮎を探し求める訳です。

実際、養殖の鮎と天然の鮎を食べ比べると、これは同時に同じ店の中で食べ比べることは不可能で、何故ならば天然を扱う店は天然だけを、養殖を扱う店は養殖だけを扱っているからですが、即ち食べ比べは記憶の中で行う訳ですが、やはり天然の方が美味しいと思います。そして鮎でない川魚と鮎を比べると、やはり鮎の方が美味しいと思います。

しかし私はこう思う背景には、巧みな飢餓マーケティングとかブランディングがあると思います。
鮎解禁!天然の鮎は藻が・・・。古来より酒飲みは鮎が好み・・・。これらは事実ですが、一方で鮎のイメージを長年に亘って安定的に高所に留める為に様々な工夫がされてきたのも、また事実でしょう。味は最終的には脳で感知・表現するものですから。
そうとは知りながら、飛んで火に入る夏の虫の如く、今年も私は鮎に惹かれてふらふらと歩いていくのです。

関東は梅雨入りしたそうです。鮎も解禁。もうすぐ夏ですね!