足元では日米で金利上昇圧力が強まり、株式市場でも金利高を警戒する動きがみられます。日銀については、9月17-18日の金融政策決定会合で追加利上げが実施されるとの見方が強まっており、先行きも金融政策の正常化が意識される局面といえるでしょう。
国内では幅広い年限で金利が上昇するなか、政策金利の見通しを反映しやすい短期ゾーンの動向が重要になっています。そこで今回は、2年国債利回りと個別株の関係を主軸に、金利上昇局面で正の感応度を示してきた銘柄を探ります。
<抽出条件1>
・対象銘柄:TOPIX500構成銘柄
・2年債利回りの日次変化幅と対象銘柄の日次変化率の相関係数(以下、2年金利相関)が、直近250営業日において高い20銘柄
結果はリスト1の通り、上位20銘柄のすべてを銀行株が占めました。金利上昇による貸出金利と預金金利などの調達金利との差、いわゆる利ざやの改善期待が株価を支える一因と考えられます。
あわせて、金利変化に対する株価の感応度を示すβ(ベータ)も集計しました。本稿のβは、直近250営業日の日次データを用いた単回帰から推計し、2年国債利回りが10bp上昇した場合の株価騰落率(%)に換算したものです。銀行株ではβも正となっており、金利上昇と株価上昇が結びついてきたことが確認できます。
もっとも、銀行株と金利の正相関は比較的よく知られています。そこで、金融株以外にも候補を広げるため、より厳格化した条件で改めてスクリーニングを行いました。
<抽出条件2>
・対象銘柄:TOPIX500構成銘柄
・直近250営業日の2年金利相関・βがともに正
・2年金利相関が過去5年間のローリング相関の中央値を上回る
・10年金利相関(※)・βもともに正
(※)直近250営業日の10年債利回りの日次変化幅と対象銘柄の日次変化率の相関係数
・上記をすべて満たす銘柄
「2年金利相関が過去5年間のローリング相関の中央値を上回る」とは、直近250営業日で算出した相関係数が、過去5年間の標準的な水準を上回っているかを確認する条件です。これにより、足元の金利相関が過去と比べて相対的に高まっている銘柄を抽出します。リスト2には20銘柄が該当しました。銀行株に加えて、INPEX(1605)、三菱重工業(7011)、ロート製薬(4527)、丸紅(8002)など、業種の異なる企業が並んでいます。短期金利との正相関が過去の中央値を上回り、長期金利とも正の関係にある点が特徴です。
今後も金利上昇が続くとすれば、銀行以外の業種にも投資候補を広げるうえで、一つの手掛かりになるでしょう。ただし、リスト2には相関係数が小さい銘柄も含まれます。また、相関は因果関係や将来の株価上昇を保証するものではなく、金利上昇の背景にある景気・物価・為替などの要因にも注意が必要です。
