モトリーフール米国本社 – 2026年9月26日 投稿記事より
人工知能(AI)サービスに対する旺盛な需要に対応するため、データセンター建設に巨額の投資を行っている大手テクノロジー企業もあります。モルガン・スタンレー[MS]は、主要な巨大クラウド企業(ハイパースケーラー)による設備投資額が2028年までに1兆4,000億ドルに達すると予想しています。
投資家は、バリュエーションが魅力的な水準にあり、今後数年間で株価が大きく上昇する可能性のある銘柄をまだ見つけることができます。本稿執筆時点で、成長ポテンシャルに比べ株価が比較的妥当な水準にあると思われるデータセンター関連銘柄は、データセンター建設・運営のIREN[IREN]と空調機器メーカーのバーティブ・ホールディングス[VRT](以下、バーティブ)です。
1. IREN:垂直統合型AIクラウド
IRENの株価は過去3年間で1,000%強上昇し、さらに高値を追い続けることも難しくないでしょう。IRENは、ゼロからAIクラウドプラットフォームを構築しています。同社は土地を所有し、電力供給を管理するとともに、社内の建設・エンジニアリングチームを活用して施設を建設しています。こうした資産は他社が簡単に模倣できるものではありません。また、IRENは最近、企業向けクラウドインフラ管理ソフトウェアを開発するミランティスの買収を完了し、データセンターのハードウェアを補完するソフトウェア機能を獲得しました。
IRENは、単にデータセンターを建設しているだけではありません。ミランティス買収が示すのは、IRENが長期的にAIクラウドインフラ業界屈指の企業になることを目指していることです。本稿執筆時点の時価総額190億ドルは、まだそのような成長に向けた野心を十分に織り込んでいません。
同社の現在の年換算売上高は10億ドルですが、経営陣は2026年末までに同40億ドルに拡大するとの見通しを示しています。また、データセンター容量に対する契約単価も上昇しています。最近締結した3年契約では、IT負荷(実際に機器が消費する電力量)1メガワット(MW)当たりの売上高は2,000万ドルを超え、現在進行中の商談では2,500万ドルが提示されています。
IRENは5ギガワット(GW)を超える案件パイプラインを抱えています。これは長期的に、潜在的な売上高が数百億ドルに拡大することを意味します。同社は2025年10月から始まったマイクロソフト[MSFT]との5年間総額97億ドルの契約の一環として、50MW液冷式データセンター4施設のうち最初の1つを稼働させました。次の運用開始は、2026年第4四半期に予定されています。
この最初の納入実績によって、IRENには複雑で大規模なプロジェクトを確実に遂行できる能力があることが証明されました。この能力は、現在のAIデータセンター市場においては不可欠です。また、この実績はIRENの垂直統合型ビジネスモデルの強みを改めて示しています。同社がこの強みを活かしてデータセンターの建設を迅速に進め、予定通りにプロジェクトを完了させれば、さらに多くの大型契約の獲得につながる可能性があります。
アナリストによるコンセンサス予想では、2029年度の調整後営業利益は107億ドルに達するとみられます。本稿執筆時点での企業価値(時価総額に純有利子負債を加えたもの)は約190億ドルで、株価は割安とみられます。短期的な株価変動に耐えて保有し続けることができる投資家は、将来的にリターンを得られる可能性があります。
2. バーティブ:電力管理と冷却技術のリーディング企業
バーティブは、データセンターの電力消費を効率的に管理し、半導体を最適な状態で稼働する先進的な冷却システムを提供しています。その中には液冷技術も含まれます。同社の過去3年間の売上成長率は力強く伸び、株価は596%上昇しました。
大量の半導体を格納するサーバーラック(棚)の電力消費量が増え、熱発生量が増えるほど、バーティブは各データセンター向け機器の販売を拡大していくことができるでしょう。長期的には、データセンター1案件当たりの売上増加につながる可能性があります。需要がより複雑で高額のシステムに移行することで、利益率の向上も期待できます。
直近の四半期では、売上高が前年同期比24%増加し、調整後営業利益率は22%を超えました。経営陣によれば、データセンター市場が地理的な広がりを見せ、これまで小規模だった最先端AI研究企業がより大きな支出が見込まれる顧客に成長するなど、活況を呈しています。このようなトレンドは、バーティブの今後の成長見通しを支えています。
市場環境を背景に、経営陣は2030年までの長期的な予想売上成長率を従来の年率12~14%から20~22%に引き上げました。また、調整後営業利益率は少なくとも27%まで改善するとみており、利益成長はさらに加速するでしょう。
経営陣の強気な見通しは、需要の広がりを反映しています。需要は電力を安全に配電・制御・保護するスイッチギアのような個別製品から、OneCoreやSmartRunといった包括的なシステムの設計にまで及んでいます。こうした個別製品からシステム全体までを一貫して提供できる体制によって、顧客との関係はより強固になり、長期的な顧客定着率が高まる可能性があります。
コンセンサス予想は、長期的には利益が年率38%で成長するとみています。予想通りに推移すれば、本稿執筆時点で予想株価収益率(PER)が約37倍とはいえ、投資家は魅力的なリターンを得られる可能性があるでしょう。
免責事項と開示事項 記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者John BallardはIRENの株式を保有しています。モトリーフール米国本社は、マイクロソフト、バーティブ・ホールディングスの株式を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は、情報開示ポリシーを定めています。
