現在のファンダメンタルズ:イラン情勢悪化によるリスクオフで米ドル買い

先週(7月20日週)のレンジと終値(マネックストレーダーFXのBidレート)
・米ドル/円:  162.208円~163.985円    163.863円
・ユーロ/米ドル:1.13639ドル~1.14491ドル    1.13698ドル
・ユーロ/円:  185.349~186.658円       186.310

先週(7月20日週)の為替市場:米ドル/円は介入期待後退で底堅い

7月20日週の為替市場は、イラン情勢が一段と悪化し、週明けにはイエメン・フーシ派が紅海封鎖に言及したことで中東からの原油輸出がほぼ止まるという、2026年2月末の開戦以来最悪とも言える状況になり、エネルギー市場を中心にリスクオフ姿勢が強まりました。

NY原油先物は木曜には93ドル台半ばまで上伸し、為替市場でも米ドル買いの動きから米ドル/円が163.985と1986年11月以来の円安水準となり、ユーロ/米ドルも1.13639まで水準を下げ、年初来安値を視野に入れる水準まで下落しました。

状況がやや好転したのは金曜日で、仲介国パキスタンが米国とイランの戦闘終結に向けた交渉再開を改めて模索しているとの報道を受けて、NY原油先物は87ドル台後半まで下落しました。為替市場は様子見となり米ドル/円は163円台後半の狭い値幅でもみあいのまま一週間を終えました。

なお、この週末2日間は米国、イラン両国とも攻撃をしなかったことで停戦期待がやや高まっての週明けを迎えています。

なお、政府・日銀による介入期待はあるものの、市場を取り囲む環境を考えるとすぐには実施されなそうだという見方に徐々に傾きつつあり、期待感はかなり後退しているようです。それでも東京勢のドル売りポジションは高水準で残っているようで米ドル/円では押し目買いが引き続き根強い地合いだとみています。

今週(7月27日週)はFOMCと日銀会合がありますが、どちらも現状の金融政策の維持が濃厚でしょうから、会合後の会見で9月会合での利上げに対して何らかの言及があるかどうかという点を注視することとなるでしょう。

米ドル/円チャート(週足)、上昇トレンド継続、長期的には160~165円か

長期的な判断は週足で行います。

米ドル/円の上昇トレンドは続いており、テクニカル面では米ドル高・円安の流れに変化はありません。為替市場を取り巻く環境もイラン情勢(リスクオフの米ドル高)や高市内閣の積極財政(債券安+円安)など米ドル/円の上昇材料ばかりが目立っており、頼みの介入期待も後退する中、長期的なレンジは160~165円へと明らかに円安方向にシフトしてきているという印象です。

長期的には黄色の平行上昇チャンネルの中で、中期的には緑の平行上昇チャンネル内で円安トレンドを続けているという見方でよいでしょう。細かくは次の日足チャートでみていきます。

【図表1】米ドル/円(週足)
出所:マネックストレーダーFX
週足チャートの見方
長期トレンドは20週移動平均線と週足終値との位置関係で判断します。
・上昇トレンド=週足終値が移動平均線の上にある
・下降トレンド=週足終値が移動平均線の下にある
トレンド転換の判断はダマシを排除するため、2週連続で移動平均線を上回るか、下回った時にトレンドが転換したという見方をします。

米ドル/円チャート(日足)、7月7日以降GC(ゴールデン・クロス)状態継続、底堅い地合いが続く見込み

短期的な判断は日足で行います。

7月7日のゴールデン・クロス(GC)状態が続いています。5月にGCが出た際も、GC状態が2ヶ月続き、そのあとごく短期的な調整を挟んで、改めてGC状態に戻ってきましたが、現状は緑の平行上昇チャンネル内で円安トレンドを続けている様子がよくわかります。

ここから上には目立ったレジスタンスがないため、節目の165円がレジスタンス兼ターゲットということになります。いっぽう下にはサポートが多く、最初のサポートが2024年高値の161.949で、ざっくりと162円が当面の強いサポートとなります。そして、その下が160.723、ゴールデンウィ−ク中の為替介入前の高値です。少なくとも次のデッド・クロスが出るまでは底堅い地合いは継続すると考えるべきです。

【図表2】米ドル/円(日足)
出所:マネックストレーダーFX
日足チャートの見方
短期売買シグナルは5日終値移動平均線(青)と5日始値移動平均線(赤)のゴールデン・クロス(GC)、デッド・クロス(DC)で判断します。
・買いシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を下から上に抜くGC
・売りシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を上から下に抜くDC

短期上昇トレンドの間は終値移動平均線が始値移動平均線の上で推移し、短期下降トレンドの間は終値移動平均線が始値移動平均線の下で推移します。通常の2本の移動平均線で言えば、終値が短期線の役割、始値が長期線の役割を果たしていると考えるとわかりやすいでしょう。

※マネックストレーダーFXでは、移動平均線の設定画面で始値を選択することができます。

ユーロ/米ドルは横方向の動きが続く

【図表3】ユーロ/米ドル(週足) 長期トレンド=下降トレンド
出所:マネックストレーダーFX

ユーロ/米ドルのチャートから見ていきます。

週足チャート(図表3)では、ユーロ/米ドルも米ドル/円と同様に米ドル買いの動きとなり、2026年6月につけた年初来安値1.13241を視野に入れる展開となりました。

ただ、この1.13台前半から半ばにかけての底堅さも強く、拡散型ウェッジの下限と2025年安値と2026年高値のフィボナッチ・リトレースメント38.2%押しが重なっていることもあり、今回も下げ止まった可能性が高いように見えます。今週(7月27日週)の米ドルの動き次第というところです。

日足チャート(図表4)では、7月22日にデッド・クロス(DC)に転換しました。ただ、2本の移動平均線の距離が近く、いつゴールデン・クロスへ転換してもおかしくありません。それでも現状は米ドル高の流れにあるため、その流れに乗るとすれば、DCでの売りシグナル方向になりそうです。

【図表4】ユーロ/米ドル(日足) 短期トレンド=7月22日にDC(デッド・クロス)に転換
出所:マネックストレーダーFX

ユーロ/円は2週連続で移動平均線上抜け、上昇トレンドに回帰

ユーロ/円(図表5)は前回20週移動平均線を上抜けして1週目でしたが、円安の影響も強く出て2週連続で移動平均線の上で引けたため、上昇トレンドに回帰しました。ただ、依然として移動平均線がほぼ平らな状態である点は変わっていないため、この上昇トレンドが長続きするかどうかは今後の展開次第となるでしょう。

【図表5】ユーロ/円(週足) 長期トレンド=上抜け2週で上昇トレンドに回帰
 出所:マネックストレーダーFX

日足チャート(図表6)では7月14日のゴールデン・クロス(GC)状態に帰属しています。ピンクの上昇ウェッジも上抜けたことで、日足ではより上昇トレンドが強いと感じられるチャートになっています。テクニカル的には、為替介入前4月30日高値187.553をターゲット兼レジスタンスとする流れにあります。

それでは今週も良いトレードを!

【図表6】ユーロ/円(日足) 短期トレンド=7月14日以降ゴールデン・クロス状態継続し、上昇トレンドが強い傾向に
【図表6】ユーロ/円(日足) 短期トレンド=7月14日以降ゴールデン・クロス状態継続し、上昇トレンドが強い傾向に   出所:マネックストレーダーFX