0.25%×4回、FFレート5%までの引き上げを織り込む米金利上昇
FRBは政策金利であるFFレートの誘導目標上限を9月に4%まで引き上げた。ただ、金融政策を織り込む米2年債利回りはその後も上昇が続き、足下ではFFレートの誘導目標上限を1%程度と大きく上回ってきた(図表1参照)。
このような米2年債利回りの上昇は、0.25%×4回のさらなる利上げにより、FFレート誘導目標上限が5%まで引き上げられることを織り込む動きと言えそうだ。こうしたFRBによる大幅利上げ見通しは、日米金利差(米ドル優位・円劣位)拡大を通じて一段の米ドル高・円安をもたらすことになるだろうか。
FRB利上げがビハインド・ザ・カーブに陥った2022年
近年において、米2年債利回りがFFレートの誘導目標上限を1%以上と大きく上回ったのは2022年に見られた(図表2参照)。これは、歴史的インフレ局面において、FRBの利上げがビハインド・ザ・カーブ、「後手に回った」と受け止められた局面だった。
この2022年に、日米の金利差は大きく拡大し、米ドル/円は金利差拡大に沿う形で一段高となった(図表3参照)。ただ当時、日銀はなおデフレからの脱却を目指し異次元緩和と呼ばれた金融緩和を継続、それが日米金利差急拡大となった大きな要因だった。これに対して、現在の日銀はすでに利上げに転じており、2022年ほどの金利差拡大とはならない可能性が高そうだ。
米ドル/円への影響は金利差と株価に注目か
FRBがビハインド・ザ・カーブに陥ったとされた2022年、金融市場におけるもう1つの特徴的な動きは株価の急落だった。インフレが制御できない懸念や金利がどこまで上がるかわからない不透明感が嫌気され、ナスダック総合指数は最大で3割以上の急落となった(図表4参照)。では、FRBのビハインド・ザ・カーブ懸念は、再び株価急落をもたらすことになるのか。
2022年の前半は2四半期連続で実質GDPはマイナス成長となった。これに対して、7~9月期の米GDPについて、定評のあるアトランタ連銀の経済予測モデル、GDPナウは5%と高い成長率を予想している。
強い米景気を受けて、今回はFRBのビハインド・ザ・カーブへの懸念からも株価下落は限られるのか。米金利上昇がどれだけ米ドル高要因になるかを考える上で、そうした株価の動向も鍵になりそうだ。
