最大の買い越し主体は投資信託
2026年上半期(1月~6月)の部門別差引売買金額は、投資信託が大幅な買い越しとなった(図表)。この期間の買い越し額は1093億円となり、2025年下半期(7月~12月)の9億円売り越しと比較すると大幅な買い越しに転じた。特に2026年2月の693億円の買い越し額は、2013年9月の681億円を抜いて歴代最多となった。
投資信託には毎月分配型が多く、新NISAの対象となっていない商品が大半を占める。そのため、新NISA導入の2024年以降は売り越し基調が続いていたが2026年になって急変したかたちだ。3月を除けば株式市場が大幅に価格を上昇させている中で買い越しとなっているため、新NISA枠を使いきった個人投資家が分散投資の一環としてREITの投資信託に資金を振り向けたと考えられる。
2番目の買い越し主体は、426億円の事業会社となった。2025年下半期は275億円で、最大の買い越し主体でありJ-REIT価格を支える投資家となっている。J-REIT市場では、傘下の銘柄に対する関与を強めるため、スポンサー企業が投資口の買い増しを行う事例が増えている。
しかし買い越し額に最も影響を与えている要因は、J-REITの投資口買入(BUY BACK)と考えられる。2026年上半期の投資口買入は262億円になっており、全体の買い越し額の6割以上を占めている。
外国人は大幅な売り越し
一方で最大の売り手は、外国人投資家となった。図表の通り4月以降、大幅な売り越し基調が続き、2026年上半期の売り越し額は1174億円となった。この要因は、3月までは米国では利下げが想定されていたが、実際にはイラン情勢によりインフレ沈静化のために利上げが必要な状況に転じたためだ。
米国のREIT(US-REIT)の利回りは3.7%程度(※)と、米国10年債利回り4.4%より低くなっている。一方で、J-REIT利回りと米国10年債利回りのかい離幅(イールドスプレッド)は直近1年で0.3%から0.6%で推移している。つまり米国10年債利回りが上昇すると、J-REITの利回りも上昇(価格は下落)する傾向となっている。
2番目の売り越し主体は、215億円の証券会社となった。ただし図表の通り、2026年2月の大幅売り越しが影響している。2026年2月は757億円の売り越しとなり、2022年7月の603億円を超えて過去最大となった。投資部門としての証券会社は自己売買であるが、金融機関が個別銘柄ではなくパッケージとしてJ-REIT投資を行う場合の「受け皿」になっていると考えられる。したがって金融機関の売り越しが影響したと考えられる。
※NAREIT(全米不動産投資信託協会)公表資料による。なおREIT利回り及び米国10年債利回りは2026年4月末時点。
