SOX指数は1日で10%を超える下落率を記録

金利上昇が株式市場にネガティブ材料として重くのしかかってきました。それは金利の水準感が要因なのではなく、株式市場の受け止め方次第です。中東情勢の緩和期待で株買いを誘発する地合いが一巡する中、金利の動きにいっそう敏感になっていたことが確認できました。

6月5日に発表された米5月雇用統計で非農業部門雇用者数が17.2万人増と市場予想の8.5万人増を大幅に上回り、前月分も上方修正されたことで米10年債利回りが4.53%台に上昇しました。NY株式市場はこれまで相場上昇をけん引したAI半導体株中心にハイテク株が大きく売られました。フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は1日で10%を超える下落率となりました。これは、歴代4位の下落率だったようです。週明け6月8日は大きく戻りましたが、少し気になるのは、6月3日の日足のローソク足で「下影陰線」を形成した点です。

寄り付きから大きく売りたたかれたものの、勢いが続かずに買いに押し戻されたことを示しており、先行きの強さを示唆する線だとされています。しかしながら、底値圏で出る「下影陰線」は買いシグナルになることが多いのですが、ある程度上昇した局面の高値圏に出ると「首吊り線」ともいわれるほど強い天井シグナルになることも多いです。6月8日は25日線上からの反発につながったため、そのような心配は不要かもしれませんが、短期的には注意が必要となります。

金利上昇によるハイテク株の急落にはこの先も注意が必要

今週(6月8日週)の注目材料は、米国で発表される5月の消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)とみられます。先週(6月1日週)の強い経済指標に加え、物価指数が予想以上にインフレを示す結果となる場合、FRB(米連邦準備制度理事会)による利上げ観測が強まり、米金利の上昇、ドル高・円安が進みやすくなります。ウォーシュ新FRB議長の新体制下で初めて開催される6月16-17日のFOMC(米連邦公開市場委員会)を前にして波乱要素になりかねません。

いずれにしても、米10年債利回りは2023年10月に4.98%台まで上昇し、年を追うごとに高値水準を切り下げていますが、下値水準は切り下げていません。2020年のコロナショック時の1%を割っていた水準から上昇した後の高値圏保ち合いが続いており、上昇バイアスは健在です。足元は12ヶ月、24ヶ月、36ヶ月線が同水準に収れんするタイミングに入っています。金利上昇によるハイテク株の急落にはこの先も注意が必要です。