米中対談後から反落基調に、上昇調整が一巡したか
米国のトランプ大統領が中国への訪問を終えた後、マーケットは崩れ始めました。先週5月15日(金)のNY時間から、特にリスクオフの値動きが目立ち始め、週末にかけても暗号資産市場の上値は重く、反落基調となりました。そして、5月18日(月)早朝から、さらに下げ足を早める展開となっています。
原油価格も上昇しており、米中対談において市場が好感できる材料は乏しかったのかもしれません。加えて、イラン戦争を巡る停戦協議も暗礁に乗り上げる可能性が高まっているのでしょうか。地政学リスクが再び意識されるなか、リスク資産全体に利益確定売りが出やすい局面に入っているように感じます。
最近の株式市場の上昇は、半導体メモリー株の急騰が大きく牽引していました。こうした値動きは世界各国で散見されており、やや短期的なバブル相場のような雰囲気もありました。暗号資産市場もその流れに連れ高する形で上昇してきましたが、株式市場側の買いポジションが逆流し始めれば、暗号資産にも売り圧力が波及しやすくなります。
その意味では、これまで続いてきた上昇調整が一巡し、再び下落方向へ転じつつあるかもしれません。ビットコインは2月初旬につけた大底から、およそ3ヶ月にわたって上昇調整が続きましたが、その戻り相場はすでにピークをつけていた可能性があります。
BTC(ビットコイン)、やはり200日移動平均線が抵抗に
BTC/JPY日足チャート分析です(図表1)。
BTCは、SMA200(橙)で予想通り上値を押さえ込まれました。長期トレンドの分岐点として意識されやすい200日移動平均線を明確に突破できなかったことで、再び売り圧力が強まっています。
さらに、足元ではSMA30(黄色)を割り込み、一段安を示唆する形状となってきました。次の下値目処としては、SMA90(水色)付近までの下押しを想定しています。MACDもダイバージェンス形成後に下方向へ向きを変えており、モメンタム面でも上昇力の鈍化が確認できます。
テクニカル的には、典型的な下落トレンド入りを示唆し始めている状況です。値動きのイメージとしては、チャート上に記載した通り、一度SMA90付近まで下押しし、その後は横ばいの揉み合いレンジを形成。そこから再び反落姿勢を見せる展開を予想しています。
目先は1,150万円付近までの下落を想定し、戻り売りトレードを継続したいと考えています。
4時間足チャート:SMA200を割り込み、下落加速を示唆
BTC/JPY4時間足チャート分析です(図表2)。
4時間足では、SMA200(橙)を割り込み、時間足ベースでも下落トレンド開始を示唆する形状となっています。日足だけでなく、短期足でも重要な移動平均線を下回ってきたことで、売り優勢の地合いが強まっている印象です。
MACDも0.00ラインを割り込み、マイナス圏で下向きに推移しています。今後、もう数本のローソク足を形成する過程で陰線が続くようであれば、下値をさらに拡大していく可能性がありそうです。
時間足レベルでは、まず1,200万円到達を意識した売りトレードが有効ではないかと考えています。この地合いでは、ファンダメンタルズ面で小さな悪材料が出ただけでも、相場が崩れやすくなります。特に、株式市場や原油市場、地政学リスクに関するヘッドラインには注意が必要です。
短期的には、買いよりも売りトレードが有利に働きやすい環境が整いつつあると考えています。
ETH(イーサリアム)はトレンドラインを割り込み、SMA90も下回る
ETH/JPY日足チャート分析です(図表3)。
ETHは、これまで意識されていたトレンドラインをしっかりと割り込んできました。さらにSMA90も下回りつつあり、日足レベルで下落トレンド再開の合図が出始めているように見えます。
MACDも0.00ラインを割り込み、マイナス圏に沈んできました。2月初旬から続いていた3ヶ月間の上昇調整を終え、再び安値方向へ下落が始まった可能性があります。
BTCと比較しても、ETHは一足早くトップアウトした印象があります。そのため、今後の下落トレンドが加速するステージに入るタイミングも、BTCより早いかもしれません。
目先のETH/JPYは、月内に30万円方向への下落を予想しており、下げ足を早める展開を想定しています。これまでは戻り売りトレードを中心に考えてきましたが、今後は売り増しを含めた強めのショートポジションへ切り替え、2月安値方向を目指したトレードを実行する予定です。
今週(5月18日週)のポイント
・米中対談後、株式市場・暗号資産市場ともにリスクオフの値動きが強まっている。
・原油価格の上昇やイラン戦争の停戦協議停滞懸念も、リスク資産の重しになっている可能性がある。
・直近の株式市場上昇は半導体メモリー株主導の色合いが強く、短期的な過熱感もみられた。
・BTC/JPYはSMA200で上値を抑え込まれ、SMA30も割り込んだことで、再び下落トレンド入りを示唆している。
・BTC/JPYの日足ではSMA90付近までの下押しを想定し、目先は1,150万円付近を下値目処として見ている。
・BTC/JPY は4時間足でもSMA200を割り込み、短期的にも売り優勢の形状となっている。
・ETH/JPYはトレンドラインとSMA90を下回り、BTCよりも先に弱気シグナルが出始めている。
・ETHは月内30万円方向への下落を想定し、戻り売りから売り増しショートへ戦略を強めたい局面。
