「Nintendo Switch 2」が値上げを発表
任天堂(7974)は5月8日、今期の減益見通しと同時に、「Nintendo Switch 2」の値上げを発表しました。半導体メモリーなど部材価格の高騰が主な要因で、日本国内では小売価格を1万円引き上げ、米国では50米ドルの引き上げとなる見通しです。任天堂の株価は、減益見通し発表直後のPTS(私設取引システム)やADR(米国預託証券)で6,000円台まで下落し、2025年8月に上場来高値14,795円をつけた水準から、半値以下にまで落ち込みました。投資家や市場関係者が思っている以上に、厳しいコスト高に直面しているとみられます。
キオクシアホールディングス (285A)の決算発表に注目
一方、半導体メモリー(NAND)専業のキオクシアHD(285A)の株価は、2024年12月の上場時の初値1,400円から45,000円台まで急騰しました。初値から時価総額は23兆円程度増加し、プライム市場の時価総額では5位(5月8日現在)に浮上しています。日経平均やTOPIXが新高値をつける中、時代の象徴的な存在になってきました。
同社は5月15日に決算発表を予定しています。市場コンセンサスは2027年3月期の連結営業利益が約4兆円です。2026年3月期の会社予想値に対して桁違いの増益幅となっていて、株価上昇に伴い市場コンセンサスはかなり切り上がっています。実際に公表される会社側の見通しと市場コンセンサスとの比較で、株価が大きく動くことが予想されます。上昇が一段と加速するのか、それとも失望で急落するのか、どちらもあり得る展開ですが、株式市場では今週(5月11日週)のいちばんのイベントといえそうです。
4月の食料価格指数は3年2ヶ月ぶりの高水準
半導体メモリーに限らず、とにかくモノや食料品の価格が高くなっています。国連食糧農業機関(FAO)が5月8日に発表した世界の4月の食料価格指数は3年2ヶ月ぶりの高水準となりました。中東情勢の悪化に伴う燃油価格の高騰でバイオ燃料の需要が高まり、植物油価格の上昇を招いたと報じています。
一方、物価が上昇すると金利は上昇しやすい。長期金利の指標として代表的な米国の10年債利回りは現在4.3%台の水準にありますが、高止まりが不気味に感じられます。2023年10月に4.98%まで上昇し、年を追うごとに高値は切り下がっていますが、下値は切り下がっていません。2020年のコロナショック時に1%を割っていた水準から上昇した後、保ち合い相場を形成しており、ここから離れた方向に当面の動きが続くと予想されます。緩やかな上昇ならまだしも、何かのきっかけで幅を持って急上昇するケースはリスクです。
SOX指数は3月終盤につけた安値から65%高に
ベッセント米財務長官は就任以来、トランプ米政権におけるインフレなき成長のために金利の低下の必要性を強調しています。金融市場が一番頼りにしているベッセント氏の思惑が外れ、意向に反して金利が上昇した場合、金融市場にとって定性的にネガティブな要因になるほか、過熱感のある日米の半導体株には逆風になることが予想されます。
フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は3月終盤につけた安値から65%高となっており、主要3指数の上昇率を圧倒しています。3月までの調整局面でいちばん底堅かった半導体指数の足元のアウトパフォームは理解できます。しかし、かなりの過熱感がただよっています。山高ければ谷深し、「いずれどこかで下がる」という考え方を無視するわけにはいきません。(2026年5月10日に執筆)
