6月相場は幸先の良いスタート
6月1日の日経平均株価は一時67,000円台まで上昇し、6月相場は幸先の良いスタートとなりました。月次で区切る必要もないのですが、高値圏で水準を切り上げる速さは個別株並みのように感じます。
どこまで上昇するのか、という問いが今いちばん難しいわけですが、あえて言うならば、7万円がターニングポイントと考えています。1989年12月のバブル期の高値38,915円からバブル後の最安値となった2009年3月の7,054円までの下落幅が31,861円です。その下落幅を2倍にした値幅を2009年3月安値からの上昇幅と考えれば、概ね7万円という数値が出てきます。6月1日時点で予想されている日経平均のEPS(一株当たりの利益)で考えると、7万円まで上がるとPERは概ね19倍程度となります。
米5月ISM製造業景況指数は4年ぶり最高水準
株式市場はAI半導体関連の騰勢を背景に良好な地合いが続いています。相変わらず、米国とイランの停戦協議に関する主張に隔たりがある一方で、原油相場の落ち着きや、先週(5月25日週)発表された米4月PCE価格指数が市場予想を下回りインフレ懸念が和らぎ、米国の10年債利回りなどの長期金利が落ち着いている点なども支援材料となっています。
一方、6月1日に米供給管理協会(ISM)が発表した米5月ISM製造業景況指数は54.0まで上昇。4月の52.7から上昇し、2022年5月以降、4年ぶり最高水準となったようです。米主要3指数が連日高値を更新している本質的要因は、景気の底堅さがあるでしょう。ただ、日々の株価の変動率を大きくしているα(アルファ)の部分に関しては、いつか修正が入ることが予想されます。
金利上昇が株式市場にネガティブ材料となる可能性もあり
今週(6月1日週)は各種の雇用関連指標の発表が予定されており、6月5日は5月雇用統計が発表され、長期金利が再び上昇に転じかねないイベントが続きます。中東情勢の緩和期待が株買いを誘発する地合いが一巡する頃合いでもあり、金利上昇が株式市場に突如としてネガティブ材料としてのしかかる可能性もあり注意したいところです。
米ハイテク株連動Maxのソフトバンクグループ(9984)がトヨタ自動車(7203)の時価総額を超えたことが話題になっていますが、米ハイテク株が下落すればすぐに逆転が解消される可能性もあります。数年に一度、あるいは数十年に一度起きる事象は短期的には長続きしないことが多い、という何となくの経験則が筆者の頭の中にはあり、メモとして記載しておきます。
NT倍率の上昇が一服する想定の中での物色予測が必要に
最後に、これまで繰り返し述べてきた点としては、日経平均株価をTOPIXで割ったNT倍率の拡大基調が続いていることです。6月1日現在で16.99倍まで上昇しました。4月2日の安値(14.53倍)からすでに2ヶ月にわたって上昇が続いており、当面はNT倍率の上昇が一服することを想定しつつ、物色を予測する必要があるでしょう。
5月の上昇業種はサービス、金属製品、電気機器、ガラス・土石、情報通信などハイテクグロース優位の展開でしたが、6月相場は5月に劣勢を強いられた鉱業や海運、電気・ガス、石油石炭製品、陸運などPBRの低い業種などにも資金を振り分けておきたいところです。ゲームやコンテンツなどのエンタメ系銘柄や、「SaaSの死」という言葉が市場に広まり、思惑を通じて売り込まれた銘柄群などへの見直し買いにも注目です。いずれにしても、5月相場で過去最高となった1日あたりの売買代金10兆円超を、今後も維持するためには物色の広がりが必要でしょう。
