4月11~12日にパキスタンのイスラマバードで行われた米国とイランの停戦協議は、最終的に合意には至らず終了しました。もっとも、完全決裂というよりは、核開発問題やホルムズ海峡の扱い、制裁解除などを巡って双方の隔たりが埋まらなかった、という見方が適切でしょう。

米国側はバンス副大統領が交渉を主導し、イラン側もアラグチ外相らが出席しており、首脳級に近い高水準の対話が実現した点については、引き続き外交余地が残されていることを示唆しています。停戦の期限は4月22日とされており、市場は引き続き関連ヘッドラインに振られやすい地合いが続きそうです。

ただし、マーケットの反応を見る限り、リスクオフ一辺倒の相場にはやや「飽き」も出てきているように感じられます。実際、暗号資産市場は、2月下旬の米国・イスラエルによるイラン攻撃開始局面で大きく売り込まれたにもかかわらず、その安値を明確に下抜ける展開には至っていません。

これは、2月に積み上がったショートポジションが徐々に解消へ向かい、下値の硬さにつながっている可能性があります。依然としてヘッドライン主導の不安定相場ではありますが、短期的にはそろそろ上方向を意識する局面に入りつつあるのかもしれません。

BTC(ビットコイン)は急落と急騰を繰り返しながらも、徐々に下値を切り上げる展開

BTC/JPYの日足チャート分析です(図表1)。足元ではトレンドラインに沿った上昇基調を維持しており、SMA90(水色)を一時的に上抜ける場面も確認できました。ヘッドラインだけを追っていると、どうしても不安を煽られる材料ばかりが目につきますが、チャートそのものを俯瞰すると、戻り売りが機能した局面を挟みながらも、安値は徐々に切り上がっています。

【図表1】BTC/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

特に、急落を挟みながらも時間をかけて値を戻すパターンが続いている点が印象的です。売り圧力が強いというより、むしろショートポジションに市場参加者が傾きすぎていることで、下値を追いにくくなっているような値動きにもみえます。加えて、米ドル/円が下支え要因として機能する局面では、BTC/JPYも相対的に安値を切り上げやすく、押し目買いが入りやすい展開が想定されます。

4時間足:次の押し目はテクニカル的に条件が重なる水準か

BTC/JPYの4時間足チャート分析です(図表2)。4月以降の時間足ベースのトレンドを確認すると、SMA90(水色)に沿う形でじり高基調が続いていることがわかります。今週(4月13日週)の押し目候補としては、この移動平均線近辺を意識したいところです。

【図表2】BTC/JPY 4時間足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

価格帯のイメージとしては、週前半であれば1,100万~1,115万円近辺、週後半にかけては1,110~1,125万円近辺へと、押し目の目線もやや切り上がっていく可能性があります。さらにSMA200(橙)が重なるタイミングでは、複数のテクニカル条件が集まりやすく、サポートとしての信頼度が高まりやすいでしょう。

ここしばらくは戻り売り中心で組み立てやすい地合いが続いていましたが、急反発局面が近づいている可能性も徐々に高まってきました。そのため、目先はやや慎重ながらも、過度な弱気一辺倒は修正したいところです。中長期ではなお下目線を維持しつつも、短期的には上昇相場入りの可能性を意識しておきたい局面だと考えます。

ETH(イーサリアム)、200日線回復を試すタイミングは訪れるのか?

ETH/JPYの日足チャート分析です(図表3)。MACDは0.00近辺で停滞しており、日足ベースでは方向感を失いつつあります。もちろん、ここから一段安へ向かう可能性もなお残されていますが、アルトコイン全般を見渡しても、以前ほど下値更新に勢いが出なくなってきました。そう考えると、もう一段階の調整上昇を挟みやすい地合いへ移行している可能性があります。

【図表3】ETH/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

200日移動平均線まで一気に回復するシナリオは、現時点ではまだメインケースには置きにくいでしょう。ただ、長く200日線を下回る局面が続いたとしても、その過程で一度も戻りを試さないケースはそれほど多くありません。

過去に弱気相場であっても、どこかで自律反発的な戻りが入り、移動平均線近辺まで価格が接近する場面がみられました。そうした意味では、ETHについても、そろそろ一段の戻りを警戒しておくべきタイミングに差しかかっているように思われます。

そのため、エントリーポジションは引き続きやや絞り気味にしつつ、小刻みに回転させるトレードが適しているのではないでしょうか。日々ヘッドラインニュースに振り回されやすい相場環境ではありますが、今は方向感のない乱高下局面を「消化期間」と割り切る視点も必要です。短期的には、もう少し戻りを試す時間帯が続くと想定しています。

今週(4月13日週)のポイント

・4月11~12日のイスラマバード協議は、完全決裂ではなく合意未達という整理が適切。
・主要な争点は、イランの核開発、ホルムズ海峡、制裁解除や賠償問題。
・停戦期限は4月22日とされ、今週もヘッドライン次第で相場が振れやすいか。
・それでも暗号資産市場は、2月の安値を明確に割り込まず、下値の底堅さが意識される。
・BTC/JPYは日足・4時間足ともに、徐々に安値を切り上げる形を維持。
・週前半は1,100万~1,115万円、週後半は1,110万~1,125万円近辺の押し目を意識。
・ETH/JPYも弱さは残るものの、下値更新圧力はやや鈍化しており、自律反発には警戒したい。
・中長期ではまだ慎重姿勢を維持しつつ、短期的にはリスクオン方向の戻りを想定しておきたい。