5月11日朝、BTC(ビットコイン)は急騰し、約半年ぶりに200日移動平均線を回復しました。

日本や韓国の株式市場では半導体関連企業が相場をけん引しており、両市場ともに史上最高値を更新する形で今週(5月11日週)は窓開けスタートとなっています。こうした株式市場のリスクオン地合いの恩恵を受け、暗号資産市場にも連れ高の動きが波及しているのかもしれません。

今週(5月11日週)は14~15日にかけて、トランプ米大統領の中国訪問が予定されています。関税問題や米中貿易、さらにイラン情勢についても議論される見通しです。

そのため、今週前半はリスクオフ色の強い値動きは限定的となる可能性がありますが、首脳会談を控える週後半にかけては、ヘッドライン次第で神経質な値動きになりやすいと予想します。

BTC(ビットコイン)、日足はMACDダイバージェンスに注意

BTC/JPY日足チャート分析です(図表1)。先週(5月7日)のコラムで「200日線まであとわずか」と解説しました。SMA200(橙)が徐々に切り下がってきたこともあり、価格は大きく上昇しないまま、ついに同水準へ到達しました。

今週もこのSMA200は徐々に切り下がっていくため、現状の水準以上で日足クローズできるかが重要なポイントになります。

【図表1】BTC/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

BTCは過去を振り返るとSMA200がよく機能していた傾向があります。そのため、いったんはこの水準で上値を抑えられる可能性を想定しています。ただし、再度の上昇で明確にSMA200を上抜けてくる場合、上昇トレンド回帰の可能性が高まるでしょう。

一方で、2018年や2022年はいずれも上期中にSMA200で上値を抑え込まれ、その後、年末にかけて下落相場が再開しました。2026年も4年サイクルの後退期にあたると考えるならば、今回も同様のアノマリーが意識されやすい局面です。

2026年はこのアノマリーが崩れるのか、それとも再び機能するのか。ここが今後の大きな注目点になるでしょう。

テクニカル面では、日足MACDでダイバージェンスが発生気味です。価格は高値圏を維持している一方で、モメンタムにはやや鈍化の兆しも見られます。日足レベルでは買われすぎを示唆するサインでもあるため、短期的には注意が必要です。

4時間足チャート:1,240万円台と1,290万円前後の攻防か

BTC/JPY4時間足チャート分析です(図表2)。足元では1,290万円前後で上値を抑えられています。一方、ネックラインは1,240万円台に存在しており、今週はこのサポートを割り込むのが先か、それとも直近高値を突破するのが先かに注目です。

MACDは0.00ライン付近まで調整を完了しており、ここからは上下どちらかに抜けた方向へトレンドが出やすい地合いです。

【図表2】BTC/JPY 4時間足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

株式市場も暗号資産市場も、やや値動きが荒くなってきました。この勢いに乗じて一気に上値を突破するのか、それとも今一度調整が入るのか、見極めが重要な局面です。

個人的には、過去の4年サイクルアノマリーを意識し、戻り売り戦略を堅持したいと考えています。日足MACDのダイバージェンスも気になるところです。

仮に反落する場合、今週の下値の最大目安はSMA200(橙)付近を想定しておきたいと思います。一度200日線を回復した以上、同水準を維持できるかどうかが、今後の市場心理を大きく左右するでしょう。

ETH(イーサリアム)は上値を切り下げ

【図表3】ETH/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

ETH/JPY日足チャート分析します(図表3)。

ETHは38万円台から37万円台へと、徐々に上値を切り下げている状況です。現状、下降トレンドラインに5回も上値を抑え込まれており、そろそろ反落圧力が強まっても不思議ではありません。

BTCは200日線回復を試す強い値動きとなっていますが、ETHはBTCほど上値を伸ばせていません。相対的な弱さが目立っており、暗号資産市場全体の中でも、ETHがいち早くトップアウトする可能性が出てきたように感じます。

一度、調整がやや強めに出る展開も想定しておきたいところです。下値ターゲットとしては、SMA90(水色)が推移する34万円台を予想します。

ただし、上方向のオーダー状況を少し調べてみたところ、注意すべき点もあります。

38万円台は巨大な清算あり

【図表4】海外の主要5取引所における清算マップ
出所:CXR engineering社で作成
※海外の主要5取引所(Binance、OKX、Bybit、MEXC、Gate.io)におけるETHUSDT

最後にETHポジションを円建てで表記した清算マップです。

38万円より上には、比較的大きな清算ポイントが確認できます。そのため、今週の価格上限としては、このあたりまでの上振れリスクを許容しておくべきだと考えます。

仮にこの価格帯をトリガーした場合、それより上の価格帯には、現時点で大きなストップ注文が散見されません。つまり、38万円台を一時的に上抜けると、短期的なショートカバーが入りやすくなる一方、その後は上値の支えが薄くなる可能性もあります。

そのため、売り目線を意識する場合でも、清算ポイントを巻き込む上振れには注意が必要です。ETH/JPYについては、現状価格から38万円台にかけて売り指値注文を段階的に意識しながら、戻り売り戦略で臨みたいと思います。

今週(5月11日週)のポイント

・BTCは約半年ぶりに200日移動平均線を回復し、上昇トレンド回帰を試す重要局面に入った。

・ただし、2018年と2022年はいずれも上期にSMA200で上値を抑えられ、その後下落相場が再開したため、4年サイクルのアノマリーには注意したい。

・日足MACDではダイバージェンスが発生気味であり、短期的には買われすぎ警戒感もある。

・BTC/JPYの4時間足では、1,240万円台のネックラインと1290万円前後の上値抵抗が今週の注目ポイント。

・今週(5月11日週)は米中首脳会談を控えており、前半はリスクオンが継続しやすい一方、週後半はヘッドライン次第で神経質な値動きになりやすい。

・ETHはBTCに比べて上値の重さが目立ち、下降トレンドラインに複数回抑え込まれている。

・ETH/JPYは38万円台より上に大きな清算ポイントがあり、短期的な上振れリスクを警戒しつつ、戻り売り戦略を意識したい。