東京市場まとめ

1.概況

日経平均は850円安の63,329円と、下落して取引を開始しました。中東情勢の悪化懸念が生じたことで、前日の米国市場では主要3指数が揃って下落しました。この流れを引き継いだ日経平均は序盤から売り優勢となり、9時10分には1,843円安の62,335円で、この日の安値をつけました。その後は急速に持ち直し、一時、上昇に転じる場面が見られましたが、前引けは939円安の63,239円となりました。

後場は売り一服の様相から、前日終値である64,179円付近で推移しました。一進一退で推移した日経平均は最終的に38円高の64,217円で反発となりました。

TOPIXは17ポイント安の3,830ポイントで続落、新興市場では東証グロース250指数が小幅反発となる722ポイントで取引を終えました。

2.個別銘柄等

川崎重工業(7012)は3.9%安の2,749.5円をつけ、3営業日ぶりに反落しました。高市政権の政策を巡り日本の財政悪化懸念が残るなか、防衛強化に向けた財政出動ができるのかを不安視した売りが出ました。

良品計画(7453)は2.0%高の3,720円をつけ、続伸となりました。10日、外資系証券が同社の目標株価を従来の4,300円から4,350円に引き上げ、これを材料視した買いが入りました。アナリストは「店舗網の拡大に加えて、質の強化に向けて運営・商品面の改善が進んでいることで、MUJIの顧客層が各国・地域に徐々に広がってきている」との見方を示しています。

住友金属鉱山(5713)は1.4%安の7,735円をつけ、反落となりました。10日のニューヨーク商品取引所(COMEX)で金先物相場は4日続落しました。金鉱山を保有し、精錬事業も手掛ける同社の収益改善期待が後退したことが売り材料となりました。

合成ゴムや高機能樹脂の石油化学メーカーである日本ゼオン(4205)は2.0%高の2,195.5円をつけ、続伸となりました。10日、外資系証券が同社の目標株価を従来の2,140円から2,300円に引き上げ、これを材料視した買いが入りました。

TDK(6762)は2.2%安の3,561円をつけ、続落となりました。10日、データセンターの冷却装置部品を手掛ける米新興企業のファブリックエイトラボズを買収すると発表しました。前日の米株安や、買収事業の収益化までの期間が不透明なことを受け、売りが優勢となりました。

アミューズメント施設運営のGENDA(9166)は、一時ストップ安水準となる16.9%安の492円をつけ大幅反落となりました。10日、2027年1月期の第1四半期決算にて、最終損益が7億5200万円の最終赤字であったと発表しました。前年同期は2億2300万円の最終黒字であり、赤字転換を嫌気する売りが殺到しました。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は一時63,000円を割り込むなど、前場に大きく下げたものの後場は下げ渋る展開となりました。明日に向けて、米国では5月分のPPI(生産者物価指数)の発表が予定されるほか、ソフトウェアのアドビ[ADBE]が決算を発表する予定です。また、ユーロ圏ではECB(欧州中央銀行)理事会が開催され、政策金利を発表する予定で、市場では0.25%の利上げが見込まれています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)