2026年2月13日(金)は「NISAの日」です。NISA(少額投資非課税制度)の制度が大幅に拡充されて、2年が経ちました。制度改正を機に、NISA制度を活用して投資を始める人も増えています。2025年のマネックス証券におけるNISA口座の取引データを調査したところ、さまざまな傾向が見えてきました。積み立て状況、つみたて投資枠と成長投資枠の使い方、クレカ積み立てやdアカウント連携など、資産形成をスタートさせた個人投資家の動向を紹介します。

NISAで投資デビュー後、より取引しているのは「ドコモ経済圏」ユーザー

NISA口座の稼働率、1月時点の55%から12月は67%へ増加

2025年1月に約54万2000口座だったNISA口座数は、12月には61万9000口座となりました。年初に口座開設が増える影響もあり、稼働口座数の割合は2025年1月の55%から、12月には67%と増加しました(図表1参照)。

NISA口座の新規開設者は、投資未経験の割合が高い一方で、年末に稼働口座が増えています。このことから、口座開設後、個人投資家が着実に資産形成をスタートさせたことがわかります。

【図表1】NISAの稼働口座割合
出所:マネックス証券作成

NISAで投資デビューを果たしたdアカウント連携ユーザーは、口座開設後も積極的に運用

マネックス証券の証券総合取引口座とdアカウントを連携しているユーザーを「ドコモ経済圏」にいるユーザーと定義します。

2025年にマネックス証券で口座を開設した個人投資家について、NISA口座の開設率をdアカウント連携の有無で比較しました。「dアカウント連携あり」NISA口座の開設率は62%と、「dアカウント連携なし」に比べて高い結果になりました(図表2参照)。「ドコモ経済圏」の投資未経験者層がマネックス証券で口座を開き、NISA口座も開設していると考えられます。

【図表2】dアカウント連携の有無によるNISA口座開設率比較(2025年1月以降の開設、2025年12月末時点)
出所:マネックス証券作成

また、2025年1月以降に開設されたNISA口座の稼働率を、dアカウント連携の有無で比較すると、「dアカウント連携あり」口座の稼働率の方が高いという結果となりました(図表3参照)。「ドコモ経済圏」で口座を開設した層は、開設するだけでなく、そこからしっかり資産形成への一歩を踏み出していることがうかがえます。

【図表3】dアカウント連携の有無によるNISA口座稼働率比較(2025年1月以降の開設)
出所:マネックス証券作成

NISAの「成長投資枠」と「つみたて投資枠」、どう活用している?

「成長投資枠」「つみたて投資枠」併用は4割、「成長投資枠」も活用する個人投資家が増加

「成長投資枠」と「つみたて投資枠」両方の枠を利用している個人投資家は41%となりました(図表4-1参照)。

【図表4-1】NISA口座の利用内訳(2025年12月)
出所:マネックス証券作成

「つみたて投資枠」のみの個人投資家の割合が徐々に減っています。株価の上昇もあり、積立にプラスして「成長投資枠」でも投資を行った個人投資家が増えていることがうかがえます(図表4-2)。

【図表4-2】NISA口座の利用内訳(2025年1月~12月)
出所:マネックス証券作成

「成長投資枠」での購入商品は日本株が約6割

「成長投資枠」での購入商品は、購入金額ベースで日本株が58%でした。日経平均株価が上昇し、日本株の相場が活況だったことも手伝って、日本株のNISA口座での買付が好調だったことがうかがえます。一方、NISA口座で米国株の個別銘柄に投資をしている人は5%でした(図表5参照)。

【図表5】成長投資枠での購入商品
出所:マネックス証券作成

「つみたて投資枠」フル活用は25%、3万円未満は41%

2025年12月の「つみたて投資枠」の積立金額を調べたところ、ボーナス設定などを含め、「つみたて投資枠」をフルで利用して積立を行っている個人投資家は25%(4人に1人)という結果になりました。

旧NISAの「つみたてNISA」の上限(33,333円/月)に近い金額設定のまま、金額を変更せずに積立を行っている個人投資家も一定数いるようです。一方で、積立額が3万円未満の割合は41%で、少額からコツコツと積立を行っている個人投資家が多いことがわかります(図表6参照)。

【図表6】つみたて投資枠で積み立て状況(2025年12月、NISA口座全体)
出所:マネックス証券作成

クレカ積立でポイントも無駄なく投資に転用

クレカ積立の利用者は1.7倍に増加

NISA口座での投資信託購入にクレジットカードを利用するクレカ積立の利用者は、1年で約1.7倍となりました(図表7参照)。2024年7月からdカードでクレカ積立ができるようになったことが、NISAでのクレカ積立利用者増に大きく寄与しています。

【図表7】NISAでのクレカ積立利用者
出所:マネックス証券作成

NISA口座でのクレカ積立は、上限をフル活用して資産運用している傾向が見られます。ただ、その内訳はマネックスカードとdカードで異なりました。

dカードでは積立金額が3万円未満の割合が43%と少額投資の個人投資家が多いのに対し、マネックスカードでは月間で上限の10万円を設定している個人投資家が41%となりました。マネックスカードでは上限が10万円に引き上げられる前の「5万円台」の設定で積み立てている個人投資家も20%と、「10万円」に次いで高くなっています(図表8、9参照)。

ドコモ経済圏から投資への一歩を踏み出した個人投資家が、少額からしっかりと積立を行っている様子がうかがえます。

【図表8】dカードでのクレカ積立利用状況(NISA口座、2025年12月)
出所:マネックス証券作成
【図表9】マネックスカードでのクレカ積立利用状況(NISA口座)
出所:マネックス証券作成

dポイントも投資に活用、1万以上5万ポイント未満が29%

NISA口座でポイント投資を行っている個人投資家の月間の利用ポイント数を調査したところ、1万ポイント以上5万ポイント未満の割合が一番多い29%となりました。

マネックス証券でのクレカ積立にはdポイントの期間・用途限定ポイントも利用できるということもあり、マネックス証券以外でたまったポイントもポイント投資に転用している個人投資家も増えているようです。

2,000ポイント未満のポイント利用者も37%おり、ポイント数がそこまで多くなくても少しずつ投資信託の購入の足しにしてポイントを活用している個人投資家が多くいることがわかります(図表10参照)。

【図表10】ポイント投資でのdポイント利用状況(2025年12月)
出所:マネックス証券作成

NISA口座で購入された人気銘柄トップ10とそれぞれの成績

マネックス証券のNISA口座で取引された人気銘柄トップ10と、それぞれの銘柄の2025年の成績を調査しました。

【概要】
 2025年に取引数が多かった銘柄トップ10とその騰落率(※)の検証
 対象:日本株、米国株、投資信託
 検証期間:2025年最初の取引日終値と2025年最後の取引日終値で比較
(日本株、投資信託は2025年1月6日と12月30日、米国株は2025年1月2日と12月31日)
※騰落率とは、二つの時点の価格を比較して、何%上昇したか(または何%下落したか)を表す指標です

日本株の人気銘柄トップ10

2023年に株式分割を行い、2025年7月1日に社名変更となったNTT(元日本電信電話)(9432)が多くの投資家の間で買われる傾向が続いています。配当利回りの高い銘柄が変わらず人気となっていますが、2025年9月29日に再上場したソニーフィナンシャルグループ(8729)もランクインしています(図表11参照)。

【図表11】2025年NISA口座で購入された銘柄人気ランキング(日本株・口座数ベース) [参考騰落率:日経平均 +28%、TOPIX +23.6%]
出所:マネックス証券作成

米国株の人気銘柄トップ10

半導体ブームが続き、一年を通じてエヌビディア[NVDA]の圧倒的人気は変わりませんでした。株価の上昇とともに人気も上がりランク外から上がってきたバランティア・テクノロジーズ[PLTR]は2025年の騰落率が136.4%となっています。ランキングは上下しているものの、2024年順位のランク外と入れ替わった銘柄は2銘柄のみでした。引き続き、従来から有名で人気の高い銘柄への投資傾向が続いています(図表12参照)。

【図表12】2025年NISA口座で購入された銘柄人気ランキング(米国株・口座数ベース) [参考騰落率:NYダウ平均 +13.3%、S&P500 +16.6%]
出所:マネックス証券作成

投資信託の人気銘柄トップ10

「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」と「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」への人気偏重は続いています。「成長投資枠」では、「つみたて投資枠」で購入ができない金ファンド(騰落率63.8%)や、長期的な成長が期待されるファンドの人気が見て取れます。

「つみたて投資枠」で「iFree S&P500インデックス」をはじめとしたiFreeの銘柄が多くランクインしているのは、2024年1月にイオン銀行から口座を移管したユーザーの積立設定が引き継がれていることが要因として挙げられます。

また、日経平均株価の高まりに伴い、日経平均やTOPIXの指標に連動する投資信託に人気が集まっていることも確認できます(図表13参照)。

【図表13】2025年NISA口座で購入された銘柄人気ランキング(投資信託・口座数ベース)
出所:マネックス証券作成

NISA制度の拡充から2年が経過し、個人投資家の裾野は着実に広がっています。今回のデータからは、ドコモ経済圏やポイント活用などの日常生活に密接したサービスが、投資への心理的ハードルを下げ、継続的な資産形成を後押ししている実態が浮き彫りになりました。

特に、少額からの積立やポイント再投資といった柔軟な活用スタイルが選択されている点は、投資が特別な行為から「日常の習慣」へと変化しつつあることを示唆しています。市場環境が刻々と変化する中で、こうした生活に根差した着実な投資行動こそが、長期的な資産形成の強固な土台となっていくことでしょう。