先週(2月2日週)後半、BTC/JPYは一時1,000万円を割り込む急落となりました。2025年10月の高値から見ると価格はおよそ半分まで下落し、市場には総悲観ムードが漂っています。
もっとも、暗号資産市場に「これだ」という決定的な悪材料が新たに出たわけではありません。材料難の中で、現物の投げ売りが断続的に出ていること、そして下落が下落を呼ぶ形でロスカットが連鎖しやすい環境になっていることが、値幅を拡大させている印象です。
2026年の年初来でも下落率は約30%に達しており、短期目線では先行き不透明感が強い局面と言えるでしょう。中期では「4年サイクル」に沿った後退期(リスク資産全般が慎重になりやすい局面)に入っているとの見方が根強く、急反発が入っても「下落トレンド転換」と断定するにはまだ材料が不足しています。現状は、下げ止まりを探りながらも戻り売りが出やすい、いわゆる「戻りの最中」と捉えるのが無難ではないでしょうか。
BTC(ビットコイン)はMACDダイバージェンス発生まで下落か?
再び売りが優勢になりやすく、戻り売り継続のサインか
BTC/JPY日足チャートから確認しましょう。足元では急反発の影響でMACDがゴールデンクロスに近づきつつあります。ただし、これは数日前の大幅反発が「指標を押し上げている」側面が大きく、日足レベルの下落トレンドそのものが大きく変化したとは言いにくい状況です。筆者としては、目先はもう一段、直近安値をトライしにいく動きを警戒しています。
反発後も2日連続で横ばい推移となっており、買いの勢いが加速しているというよりは、下落局面で積み上がったショートポジションの買い戻し(ショートカバー)が主因だった可能性が高いでしょう。海外の現物取引所の板・約定状況を見ても、反発で戻した水準からは買いが散見される一方、「高値づかみ」と見られる動きも混在しています。こうした買いが一巡すると、再び売りが優勢になりやすく、戻り売り継続のサインと判断します。
方向感に欠ける横ばいの値動きが2~3週間続く可能性も
続いてBTC/JPY4時間足チャートです。MACDは0.00付近まで回復傾向にあり、仮にこの近辺まで戻して横ばい推移に入った場合は、買いと売りの力が拮抗しやすくなります。値動きのイメージとしては、今週(2月9日週)前半に横ばい推移(もみ合い)を挟み、週後半にかけてやや下押し、という展開を想定しています。
ただし、そのまま一直線に下落トレンドが再開されるというより、方向感に欠ける横ばいの値動きが2~3週間続く可能性もあるとみています。下落で市場参加者が痛んでいる局面では、戻り局面での買いが続きにくく、上値は重くなりがちです。その後、時間をかけて需給が再び悪化すれば、安値を割れていくシナリオが再浮上しやすいでしょう。
これは3月以降を意識した見立てですが、「これ以上の高値圏で積極的に買い上げるプレイヤーが増えにくい」というのが筆者のベースシナリオです。
また、冒頭で触れたように、4年サイクルを意識する投資家は多く、強気転換を急ぐよりも、戻り局面での売り(リスク調整)を優先しやすい地合いと考えます。無理に買ってくるプレイヤーが前回以上に多いという見方もありますが、現状のボラティリティ環境では「買いの継続性」を市場が疑いやすく、結果的に上値が重い展開になりやすい点には注意が必要です。
ETH(イーサリアム)はMACD0.00推移から戻り売りがさらに優勢か
ETH/JPY4時間足チャートです。BTC同様に、戻りを挟みつつも下値を押し下げるイメージを持っています。チャート形状としては2022年5月頃の局面に似た雰囲気があり、当時はアルトコインがBTC以上に下値を更新してしまう銘柄が多く見られました。ETHですら値動きが重かったことを踏まえると、アルトコイン全般はBTC以上に右肩下がりのレンジになりやすい、と想定しておきたいところです。
4時間足ではディセンディングトライアングルのように、上値を徐々に切り下げていくレンジ相場をイメージしています。ETHのMACDもBTCの4時間足と同様に0.00ラインまで回復が見込まれますが、この水準は「反発一巡」のサインとして意識されやすく、ここからは上値がさらに重くなる可能性があります。
したがって、局面としては「戻りトレード(戻り売り)が有利に働きやすい地合い」へと、もう一段移行していく想定です。筆者としては、「戻り売り→買い戻し」を繰り返し、短期回転でリスクを管理しながら対応していく方針です。
今週(2月9日週)のポイント
• 先週(2月2日週)の急落後の急反発は、トレンド転換というより「ショートカバー主導の戻り」の色合いが強い。
• BTC日足はMACDが改善しているが、下落トレンド自体は大きく変化しておらず、再度安値トライを警戒。
• BTC4時間足はMACDが0.00付近まで回復しやすく、いったん横ばい(もみ合い)→弱含みの展開を想定。
• 市場の傷みが大きく、高値圏での買いの持続性が乏しいため、戻り局面では上値が重くなりやすい。
• ETHは2022年5月局面に似た地合い。過去事例を踏まえ、アルトコイン全般はBTC以上に弱含みになりやすいことも要想定。
• 戦略面では「戻り売り優勢」の前提で、短期回転(戻り売り→買い戻し)でリスク管理するイメージ。
