東京市場まとめ
1.概況
日経平均は453円安の49,058円と反落して寄付きました。前日の米国株安を受け、売りが優勢でのスタートとなった日経平均は序盤に下げ幅を拡大し、9時8分には868円安の48,643円をつけ、本日の安値を更新しました。その後は持ち直すも、前場の後半は一進一退での推移となり、505円安の49,006円で前引けとなりました。
後場は徐々に持ち直し、下げ幅を縮小しました。中盤には節目の49,000円台まで回復し、後半にかけてはほぼ横ばいで推移した日経平均は、最終的に510円安の49,001円となり、反落して取引を終えました。
TOPIXは12ポイント安の3,356ポイントで3日続落、新興市場では東証グロース250指数が2ポイント安の645ポイントで3日続落となりました。
2.個別銘柄等
川崎重工業(7012)は4.5%安の11,030円をつけ、3日続落となりました。『海上自衛隊の潜水艦用のエンジンで燃費性能の検査結果を改ざんしていたとして、防衛省は川崎重工業を指名停止処分とする方向で最終調整に入った』と一部で報じられたことで船舶用エンジンの検査データ書き換え不正に続く不祥事の可能性が浮上し、これを嫌気した売りが出ました。
アサヒグループホールディングス(2502)は5.7%安の1,632.5円をつけ、大幅下落となりました。17日、英蒸留酒大手ディアジオから東アフリカ事業を買収すると発表し、買収額が約4654億円(30億ドル)と巨額であることから、現時点では業績への貢献期待よりも財務負担の増加を懸念した売りが優勢となりました。
カカクコム(2371)は2.1%高の2,229円をつけ、3日ぶりに反発となりました。17日、人材サービス大手のエン(4849)から採用支援ツール「engage」などの事業を吸収分割により承継する新会社の株式を取得し、子会社化することで基本合意したと発表しました。主力サイト「求人ボックス」との連携による将来的な業績拡大への期待から買いが入りました。
シャープ(6753)は2.3%高の772.1円をつけ、反発となりました。17日、国内証券が同社の投資判断を3段階で最下位の「3(アンダーパフォーム)」から真ん中の「2(中立)」に、目標株価を従来の600円から880円に引き上げたことを受け、これを好感した買いが入りました。
本日東証グロース市場に新規上場したミラティブ(472A)は、公開価格860円に対し、12.7%安の751円で初値をつけました。配信プラットフォームを運営する同社ですが、主要株主にベンチャーキャピタルが名を連ねていることなどから需給悪化が警戒され、積極的な買いが入りにくい展開となりました。終値は公開価格比18.0%安の705円で初日の取引を終えました。
VIEW POINT: 明日への視点
米国株安を受けた日経平均は1.0%安、TOPIXは0.4%安となりました。明日は日銀の金融政策決定会合の結果公表が最大の注目点です。もっとも、市場では今会合での追加利上げがすでにかなりの程度織り込まれており、サプライズ性は乏しいと考えられます。本日の大幅下落の反動もあり、日経平均は反発が見込まれます。
また、今晩は米国で11月分のCPI(消費者物価指数)の発表が予定されており、その内容が明日の日本市場にどう波及するかも注視されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
