東京市場まとめ
1.概況
先週末の米国市場ではAI投資を巡る懸念からハイテク株を中心に売りが優勢となり、この流れを引き継いで日経平均は484円安の50,352円と反落して寄付きました。寄付き後は下げ幅を拡大し、50,200円を割り込むまで下げると、その後はもみ合いとなりました。一進一退での推移となった日経平均はその後更に下げ、744円安の50,092円で前引けとなりました。
後場は下げて始まりました。12時42分には870円安の49,965円をつけ、本日の安値を更新しました。節目の5万円を割り込むも、下値では押し目買いも入り、後場の中ごろにかけて下げ幅を縮小し、後半は50,200円近辺での推移となりました。最終的には668円安の50,168円で反落して取引を終えました。一方TOPIXは7ポイント高の3,431ポイントで続伸し、連日で最高値を更新しました。
新興市場では東証グロース250指数が11ポイント高の669ポイントで続伸して取引を終えました。
2.個別銘柄等
リクルートホールディングス(6098)は3.7%高の8,620円をつけ、4日続伸となりました。12日、外資系証券が同社の目標株価を従来の1万400円から1万1000円に引き上げ、足元の株価水準を大きく上回る水準で、このアナリストの強気見通しを材料視する買いが入りました。
日本製鉄(5401)は4.4%安の604円をつけ、反落となりました。12日、中長期経営計画を公表し2030年度までの5年間で6兆円を投資すると発表したものの、材料視した買いは限定的で、先週末の米株式相場の下落を受けた売りから相場全体が弱い中、同社も売りが優勢となりました。
住友ゴム工業(5110)は一時3.0%高の2,513円をつけ、年初来高値を更新しました。12日、外資系証券が同社の目標株価を従来の2,500円から2,800円に引き上げ、これを好感した買いが入りました。投資判断は3段階で最上位の「買い」を据え置かれています。
医療データサービスを展開するメディカル・データ・ビジョン(3902)はストップ高水準となる17.3%高の542円をつけ、大幅続伸となりました。13日、日本生命保険が、今後、TOB(株式公開買い付け)を実施して同社の全株式を取得する予定との報道を受け、これによるTOB価格のプレミアム(上乗せ幅)を期待する買いが入りました。
エンターテインメント事業を運営するGENDA(9166)は7.0%安の696円をつけ、大幅反落となりました。12日、2026年1月期(第3四半期決算を発表し、販管費などコスト負担がかさみ、純利益が前年同期比23.7%減の20億円となったことを受けて、減益を嫌気した売りが出ました。
VIEW POINT: 明日への視点
米国ハイテク株安の流れを受け、半導体関連銘柄などが下落し週明けの日経平均は1.3%安となりました。一方で時価総額の大きいトヨタ自動車(7203)やメガバンク3行などは上昇し、TOPIXは0.2%高となりました。AI関連の懸念から物色に変化が見られている印象です。
明日の材料には、ニューヨーク連銀総裁の講演が予定されているほか、利下げ推進派とされるミランFRB理事が対談に参加予定で、その発言が注目されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
