米国市場は年後半に入り情報技術セクターの上昇が顕著です。S&P500セクターインデックスにおける情報技術セクターは、足元11月3日までの年初来騰落率は29.8%の上昇と、主要11セクター中の上昇率トップとなっています。一方で、PER(株価収益率)などバリュエーション指標からは割高感が意識されるのも事実であることから、今回はその米情報技術セクターを構成する大型株(時価総額トップ15銘柄)の予想PERを確認します。

時価総額のトップは先月、史上初の5兆ドルに到達したエヌビディア[NVDA]で、予想PERは33倍となっています。エヌビディアは、高成長が織り込まれているものの、市場の期待以上に利益成長の速度が速く、過去5年間のパーセンタイル値(※)は39%とPERの観点からは必ずしも割高とは判断しづらい状況です。

(※)パーセンタイル値はデータを小さい順に並べた際に、ある値が全体の何%の位置に相当するかを表す数値で、50%が中央値となり、ここでは大きくなるほど該当期間における割高さを示します。

一方で他の大型株の予想PERを見るとリストの過半数は、過去5年のパーセンタイル値が90%を超えており、やはり情報技術セクター全体としては割高さが警戒されます。AIやデータセンター需要などから、今後も高成長が見込まれる同セクターですが、パーセンタイル値が90%を超えている銘柄などについては、期待が先行している点が否めず、利益の見通しを確認してからの投資が賢明と考えられます。

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