5度目となる米中貿易協議を終えて、10月27日朝方、中国側がレアアースの輸出規制を1年間延期する旨が報じられました。暗号資産市場は一斉に急騰、前日の夕方から徐々に上がってはいたものの、想定以上の大幅上昇となりました。

ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)をはじめ、主要アルトコインにも資金流入が見られ、暗号資産市場全体が力強く反発しています。10月10日の急落以降で大きく傷ついた相場でしたが、今回の報道をきっかけに回復基調が鮮明になりつつあります。

さらに今週(10月27日週)はFOMC(米連邦公開市場委員会)を控えており、市場では利下げが織り込まれています。暗号資産市場はこのような米国の金利動向に敏感で、金融市場の織り込み以上に素直に反応する傾向があります。もし実際に利下げが実施されれば、さらなる上値追いが期待できるでしょう。

BTC(ビットコイン)は1,900万円回復が視野に、押し目買いは浅め狙いか

BTC/JPYの日足チャートを見ていきましょう。直近の高値レジスタンスラインまで上昇してきました。テクニカル的には、MACDがまだゼロラインに達していないことから、過熱感は限定的です。このパターンは続伸しやすい傾向があり、1,900万円までは残り約10%の上昇余地があります。

個人的には、11月中に1,900万円到達を想定しています。中国によるレアアース輸出規制の延期に伴い、トランプ米大統領の中国製品100%関税論が棚上げとなったことも、リスク回避姿勢を大きく和らげる材料です。引き続き時間足ベースで押し目のポイントを見極めたいと思います。

【図表1】BTC/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

続いて、BTC/JPYの4時間足では、上昇トレンドが明確です。戦略としては以下の2つが考えられます。
1. 上昇トレンドラインまでの浅い押し目を待ってエントリー
2. SMA200(橙)までの調整を待つ戦略(目安は1,710万円付近)

ただし、後者のケースでは2%以上の調整が必要となるため、早朝からの強い上昇トレンドをここまで失速させるかは疑問です。また、10月22日ごろにつけた高値(1,725~1,730万円)がサポートとして機能しており、1.5%ほどの押しで反発する可能性もあります。

【図表2】BTC/JPY 4時間足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

この水準まで押すようであれば、強気の買いを意識したい局面です。現ポジションはホールド継続、さらに買い増しスタンスを堅持します。

ETH(イーサリアム)も強気スタンスを堅持、70万円回復を予想

ETH/JPYも三角保ち合いを上抜け、明確な上昇トレンドに入っています。押し目はSMA200(橙)付近が目安ですが、BTC同様、そこまで下がる可能性は低そうです。

既存ポジションは引き続き保有を継続とします。また、SMA200を下値サポートに追加ポジションを検討するほか、現状の価格帯でも含み益がある分、成行での買い増しも有効と考えます。10月上旬に一時70万円を突破しており、今回の反発でその水準を回復する展開を想定します。

【図表3】ETH/JPY 4時間足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

FOMCを経て、今週中に10%程度の上昇を見込んでおり、ETHも強気スタンスを維持します。総じて、今週は暗号資産市場全体にポジティブな地合いが広がる1週間になりそうです。