東京市場まとめ
1.概況
米地銀の信用不安問題をきっかけに、前日の米国市場は主要3指数が揃って下落となった流れを引き継ぎ、日経平均は反落で寄付きました。前場は軟調な展開となったのち、中ごろに急速に下げ渋り48,000円台まで値を戻す場面がみられました。その後は再び下落基調で推移し、450円安の47,827円で前引けとなりました。
後場は寄付きで、下げ幅を拡大し、その後は安値圏での推移となりました。日経平均ボラティリティー・インデックスの上昇などが投資家心理の重荷となり、14時42分に783円安の47,494円をつけ本日の安値を更新しました。その後も反転の材料もなかったことから、最終的に695円安の47,582円で大引けとなりました。
新興市場では東証グロース250指数が続落、2.9%安となりました。
2.個別銘柄等
任天堂(7974)は2.6%高の12,470円をつけ反発となりました。米ブルームバーグ通信が17日、「任天堂が新型ゲーム機『ニンテンドースイッチ2』について、2026年3月末までに最大2500万台規模を生産する計画だとわかった」と報じ、市場の想定を上回る規模の生産計画とみられたことで、これを材料視した買いが入りました。
海洋エンジニアリングの三井E&S(7003)は一時、ストップ高水準となる15.3%高の5,290円をつけ年初来高値を更新しました。国内証券が、同社の目標株価を従来の3,400円から足元の株価水準を上回る5,400円に引き上げ、株価の先行きに強気な見方が広がったとの受け止めから買いが殺到しました。
三越伊勢丹ホールディングス(3099)は3.2%安の2,449円をつけ3日続落となりました。日本経済新聞は、「政府は2026年度にも査証(ビザ)の申請にかかる手数料を欧米並みに引き上げる」と報じ、訪日外国人(インバウンド)にとってはマイナスとの受け止めからインバウンド関連の一角に売りが出ました。
上場2日目のテクセンドフォトマスク(429A)は1.5%高の3,430円で取引を終えました。半導体ウエハーに回路を形成する際の原版となるフォトマスクの製造・販売を手掛ける同社に対し、今後の成長期待を背景に買いが優勢となりました。
再生細胞薬バイオベンチャーであるサンバイオ(4592)は10.3%安の2,690円をつけ大幅続落となりました。16日、脳損傷患者向け再生医療等製品「アクーゴ」について、同日開催の厚生労働省の専門部会が出荷を認めたと発表し、朝方は買い気配で始まりました。将来的な期待感から16.3%高の3,490円まで上昇するも、その後は利益確定の売りが優勢となり、荒い値動きで取引を終えました。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は週間で1.1%安、TOPIXも週間で0.8%安と、ともに下落となりました。来週は国内で21日に予定される臨時国会に注目が集まります。首相指名が行われる同国会にて、高市自民党総裁が指名される公算が高く、その際には積極財政を見込んだ株高が期待されます。そのほかにも、遅れていた米CPI(消費者物価指数)の発表や日本の全国CPIの発表が予定されています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
