なるべくお得に買いものをしたい、お金を貯めたい…そんな人におすすめなのが、買い物などでポイントを貯めて活用する「ポイ活」です。しかし、なかなか仕組みが複雑でわかりにくい場合も。効率よくポイ活をしたい人にありがたいのが、「ポイ活の情報発信サイト」です。
今回は、「dポイント経済圏」のポイ活について発信している「おちみかん」さんに、効率的なポイ活のコツや投資についてお伺いしました。
●プロフィール●
2020年からdポイントを使ったポイ活を始め、ブログ「ドコモ経済圏 攻略への道」をスタート。さまざまな方法を駆使し、現在は年間10万ポイント以上をコンスタントに貯められるように。ポイ活をきっかけにお金の知識に興味を持ち、CFP認定と1級FP技能士の資格も取得。
マイナポイントがきっかけで意識的にポイントを貯めるように
――ポイ活を始めた時期やきっかけについて教えていただけますか?
ポイ活を本格的に始めたのは2020年頃です。老後2000万円問題が話題になっていたことから節約を意識し始めていました。ちょうどその時に「マイナポイント」のキャンペーンがあり意識的にポイントを貯めていこうと考え始めたのはそれがきっかけです。キャッシュレス決済もさまざまなサービスが始まっていて、そのキャンペーンもあったというのも大きかったです。
――おちみかんさんはdポイントをメインに貯められていて、いわゆる「dポイント経済圏」ユーザーですよね。選んだ理由は?
携帯電話のキャリアがNTTドコモだったからです。中学校くらいから使用していて、dポイントカードもその時から持ってはいました。ただ、そんなに積極的にポイントを貯めて使う、ということはしていませんでした。アプリをダウンロードしてd払いを利用し、dポイントを集めていくようになったのは、「マイナポイント」キャンペーンでdポイントを受け取って以降ですね。
――ご自身でポイ活について発信するようになった理由というのは?
以前は、dポイントに関しての情報はあまりまとまっていなかったんです。そのため自分で調べた情報を発信するようになりました。情報が複雑で使いづらかったこと、サービス同士の連携もあまり取れていない印象でした。でもこの5年間でだいぶ状況も変化してきていますし、ポイ活初心者でも情報を集めやすくなっていると思います。

――dポイント経済圏でのポイ活は、どう始めればいいですか?
NTTドコモ回線を使っていればdポイントが毎月もらえるので、そこからスタートするのが一番いいと思います。まずは「dアカウント」を作り、そこにポイントを貯めていきます。NTTドコモが運営しているコード決済払いの「d払い」アプリケーションのインストールと、ポイントを貯める「dポイントカード」、クレジットカードの「dカード®(※)」、この3種類を用意するのがよいと思います。この3つをセットで使うことによりポイントがとてもたまりやすくなると思います。
――dポイントを貯める一番の秘訣を教えて下さい。
回線の保有にかかわらず、日常の買い物での決済に使うのがいいと思います。私はお米などの生活必需品や金額の大きな家電は「dショッピング」というサイトで買うようにしていますが、毎月10日、20日に開催される「dショッピングデー」で購入すると、税込4,400円以上の購入でdポイントが最大40倍もらえたり、dポイント利用分が5%還元されたりするんですよ。そこが一番大きいですね。

――dショッピング以外におすすめの方法はありますか?
あとは、日常での買い物をd払いが使用できるお店にすることでしょうか。私がメインで使うのはマツモトキヨシとココカラファインです。この2店はd払いとdポイントカードの両方が使用できますし、ポイント還元率がアップする“特約店”です。dカードを使用して支払い、dポイントカードを出せばそれぞれdポイントが貯まり、かつマツキヨココカラポイントもつけることができるので、ポイントの3重取りになります。
貯まったポイントで株式を買い、ポイントもゲット
――1年間のポイント獲得数はどのくらいですか?
2023年は69,711ポイント、2024年は約11万ポイント。2025年は8月までで75,384ポイント獲得しました。月に9,000円相当くらいのポイントをコンスタントに得られています。
内訳としては、dショッピングがかなりの割合を占めています。買いまわることでポイントアップというような仕組みがないため、不要な買い物などをせずにすみます。
――貯まったポイントの利用方法は?
基本的にはすぐ使っています。というのもdポイントは利用期限があるので、うっかり失効してしまうともったいない。実は私も、初期にはうっかり失効させてしまったことがあります。ずっと貯めていくよりも、すぐ使うことをおすすめします。
――ポイントの使い道としてはどんな事が多いですか?
最近は、ポイントを使ってNTT(9432)の株式を購入しています。dポイントで株を購入できるサービスがあるので、月に1回くらいまとめて使うようにしています。NTTを所有していると株主優待でdポイントがもらえるので、さらなるポイ活になるんですよ。 NTTドコモの公式ホームページを定期的に見て、ポイントの還元率や制度の変更などの情報を入手しています。
――ポイントの還元率についてはいかがでしょうか?
還元率などの変化は随時あるので、まめに確認しながら利用しています。例えば、以前は還元の上限が2万ポイントくらいでしたが、dショッピングでは上限が下がり、今は5,000ポイントくらいになっていたり。ただ、還元率は以前は20%だったのが、今は最大40%になりました。
――ポイ活を続ける上で心がけていることはありますか?
「必要のないものをポイントのために買うことはしない」のが大切ですね。あと、日常生活の中でd払いや、dポイントカードが使用できるお店を選ぶのも重要かなと思います。出先でも、近くのお店で使えるかどうかは確認しています。
――ポイ活に興味のある方へのアドバイスをお願いします。
上手に使えばdポイントを1年間で10万ポイントくらい貯められるので、貯めるポイントを決めてポイ活をしてみるのもいいと思います。実は私は、全く「無理」はしていません。それでもこのくらいは貯められています。あと最近はアマゾンの利用でもdポイントが貯まるようになりました。
投資信託「3,000円」の積立からスタート
――投資に興味を持ち始めたきっかけは?
投資自体は8年前、就職した2017年から始めました。社会人になり、自分でお金の管理をするようになって、「お金を増やしたいな」と思ったのがきっかけです。書店で見つけた 『はじめての人のための 3000円から始める投資生活』(横山光昭著 アスコム)という本を買い、その本を参考にして投資信託に3,000円ずつ積み立て始めました。その時の銘柄(バランス型とターゲットイヤー型の投資信託)への投資は2年くらい続けました。後はそのまま保持しつつ、別の投資信託(米国の主要指数であるS&P500に連動を目指す銘柄)に切り替えました。

――家計の中で投資に回している比率はどのくらいですか?
2025年2月に退職するまでの会社員時代は、手取りの30%、毎月10万円、年間で120万円積み立てていました。 最初は一般NISA口座で、一部に特定口座を使っていました。その後制度変更で、NISA口座のつみたて投資枠を利用しています。最近、会社員をやめて独立したので、投資にまわす比率を見直し、月5,000円のみ積立てているところです。貯金は、1年分の生活費はすぐに下せるよう残しておいて、それ以外のものは投資に回すという考え方です。運用成績は今は34%くらいのプラスという状況です。
一時的に下がっても「淡々と積立」を続ける
――相場が下がったときに投資をやめようと思ったことはありませんでしたか?
それが、ないんですよ。「世界経済は、将来的に拡大していくため、淡々と積立していった方がいい」という考え方を自分の中では大切にしています。相場が下がったときに、買い増しはしていないです。基本的には決まった金額で積み立てているので、相場が下がると自動的に購入量が増えるという形です。
――投資をする上での決め事がありますか?
リスクの高い投機的な商品には投資しないようにしています。あとは、どういう商品か自分でわからないものにも投資しないようにしています。投資信託でインデックスを買っているので、そちらで分散しているからいいのではと思っているのもあります。

――信頼できる情報源の見分け方はありますか?
私は、個人の方の場合は特に「自分の商品を売っていない人」の方が安心できるなと感じます。例えば情報商材などを売っていたり、有料の会員制のサイトに誘導したりするケースもありますので、気を付けた方がよいかと思います。あと、投機性の高いものを勧める人にも気をつけた方がいいですね。SNS上では、よくわからないものをおすすめしてくる人もたくさんいるので。自分の身を守るためにも金融機関のサイトや書籍など信頼のできるメディアなどで情報収集したり、勉強した方がいいと思います。
――投資で増やしたお金は将来どう活用したいですか?
基本的には老後の資金として活用したいと思っています。しっかりと貯めて4%ルール(生活費を投資元本の4%以内に抑え、資産が目減りすることなく暮らすという方法)で活用できるのが理想だなと思っています。
――投資に興味をもっている方へのアドバイスをお願いします。
投資は怖いものというイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれません。そういう方は、私のようにポイントを利用して株を買うなど、ポイ活と組み合わせてスタートするという方法もあります。ポイントなら「保有していたポイントよりも減ったとしても、仕方ないか」と思えますし、精神的な負担が少ないのではと。そのため、そのような方法から進めてみるのをおすすめします。ポイントで投資信託に投資できるサービスを提供している金融機関もあります。
――ポイ活の極意を教えていただけたインタビューとなりました。ありがとうございました。
取材・文/川口有紀
企画・編集/マネクリ編集部(藤村恭子、西條玄香)
※本インタビューは2025年8月14日に実施しました。
※本内容は、個人の経験に基づく見解であり、当社の意見を表明するものではありません。
※投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようにお願いいたします。
※dカードは、株式会社NTTドコモの登録商標です。
