ポイ活の達人であり、ポイント交換案内サービス「ポイ探」を運営する菊地崇仁さん。ポイントの賢い貯め方・使い方などをお聞きした前編「落とし穴にはまらない貯め方や共通ポイントの選び方とは?」に続いて、後編では、勢いを増すポイントサービスやポイント投資についてうかがいました。
ポイント戦国時代!流通系、鉄道系ポイントサービスにも注目
――最近注目されているポイントサービスについて教えてください。
5大共通ポイントの(dポイント、楽天ポイント、PayPayポイント、Ponta、Vポイント)の動向は常に注目しています。例えば、NTTドコモとアマゾン・ドットコムの協業によって、dアカウントとAmazonアカウントを連携すると、条件はありますがAmazonでの買い物でdポイントが貯まったり、Amazonでの買い物にdポイントが使えるようにもなりました。
また、dポイントクラブの会員ランクによって、ポイントの進呈倍率がステップアップし、2つ星以上だと1.5倍、5つ星だと2倍(1ヶ月の上限は15,000ポイント)貯まります。そして、dアカウントとマネックス証券の証券総合口座を連携すると、投資信託の保有でdポイントが貯まったり、dポイントで投資信託を購入したりできるようになりました。以前と比較してdポイントの利便性が高まっていると感じます。
一方で、ポイントサービスは各社注力しており、目が離せないですね。そのひとつがWAON POINTです。もともと流通系での強みがあるとともに、最近はイオンモバイルやAEON PayなどでWAON POINTを付与するなど、攻めているなという印象です。
また、鉄道系のポイントにも注目しています。例えば、JR東日本のJRE POINTは駅ビルでの利用や鉄道のチケットレス乗車でもポイントが貯まるうえ、2024年スタートの「JRE BANKサービス」においてもJRE POINTが付与されるなど、力を入れています。鉄道系のポイントは、沿線住民をユーザーとして囲っているのを強みとして、今後、伸びていくのではないかとみています。
5大共通ポイントの覇権争いと流通系、鉄道系の台頭…、ポイント戦国時代として今後の動向が興味深いですね。
――ポイント戦国時代の中、別のポイントサービスへの乗り換えを検討した方がよいタイミングなどはありますか?
乗り換えを考えるとすれば、携帯電話のキャリアを変更した時でしょうか。その場合も、ご自身が「何のためにポイ活をするのか」という目的を見失わないことが大切です。
また、ポイントサービス自体の改悪があった際にも乗り換えを考えたほうがよいかもしれません。ただ、サービス側もユーザーがギリギリ留まるラインを攻めてくるので、正直、判断が難しいケースが多いのが事実です。
ポイント投資をすることで、ポイントを無駄なく利用
――菊地さんはポイ活で貯まったポイントで、積極的にポイント投資もされているそうですね。
10数円分のポイントを使うために無駄な出費をするのは避けたいという思いから、私の場合は100ポイントが貯まり次第、全額をポイント投資に充てています。
以前から、2つのネット証券でインデックス投信のクレカ積立をしているのですが、ポイント投資では、それと同じインデックス投信をスポット購入しています。dポイントが100ポイント以上貯まればマネックス証券、PayPayポイントが100ポイント以上貯まれば別のネット証券で、同じファンドを追加購入しています。
――この方法だと失効しそうなポイントを有効活用できますね。
前編でお話したポイ活の目的の2パターンのうち、ポイント投資は、将来性、夢のあるパターンです。もちろん、物価が上昇している昨今、無理にポイント投資をせず、生活費に充てたほうがよい場合もあると思います。ただ、もし、生活費に多少余裕があるのであれば、貯まったポイントはポイント投資に回して、資産を増やすことを考えてもいいのではないでしょうか。
ダメージが比較的すくないのもポイント投資の魅力
――ポイント投資について聞かせてください。
現状私の場合、積立投資でマネックスカードを使ってポイントを貯めます。さらに投資信託を保有しているだけで毎月ポイントが付与され、それらのポイントで投資信託を購入すれば、またポイントが貯まります。ポイント自体には利息は付きませんが、投資信託を購入すれば値上がりして利益を得ることも期待できます。
一方で、買った時よりも基準価額が下がれば損をしますが、元手がポイントのため、値下がりしても心理的ダメージも低く感じられます。これはポイント投資ならではのメリットだと思います。
――心理的ダメージが少ないのはポイント投資の魅力と言えそうですね。
はい、ポイントのまま保有していると、そのポイントを失効する可能性もありますが、失効する前にポイント投資をすれば、投資信託をしっかり選べばゼロになることは少ないのではないでしょうか。
さらに、dポイントはキャンペーンなどで付与される期間・用途限定のdポイントもマネックス証券で投資に使えます。期間が短いポイントも投資に使えるのはマネックス証券+dポイントの魅力だと思います。
ポイント投資で運用に挑戦して、値動きに慣れてから、自分のお金で投資を始めるという選択肢もあると思います。
ポイ活の3原則と忘れてはならないこと
――最後に、これからポイ活を始めようと考えている方へのアドバイスをお願いします。
ポイ活の3原則は、次のように考えています。
①100点を目指さない
②自分のできる範囲でやる
③貯まったポイントは使う
買い物の際に、ポイントカードやアプリをあれこれ出すのが面倒なら、クレジットカードのポイントだけに絞ります。流通系や鉄道系、商業施設のポイントも貯められるのなら、サブのポイントとしてやってみましょう。
ポイ活では、最初にお話したたように「何のためにするのか」という目的をしっかり持つことが大切です。そして、貯まったポイントを使うことを忘れてはいけません。もしかすると、これが一番の肝かもしれません。
ただし、ポイントのために行動しない。例えば、100円分のポイントを失効させないために、1,000円の無駄な買い物をしてはいけません。貯まったポイントを失効させたくないならポイント投資をしてみる。ポイ活は、お得感を感じないと始められないし、続けることもできません。無理をすることも禁物です。
――本日はどうもありがとうございました。
写真:竹井 俊晴
※本インタビューは2024年11月7日に実施しました。
※本内容は、個人の経験に基づく見解であり、当社の意見を7日表明するものではありません。
※投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようにお願いいたします。