【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 46,108.00  △617.08 (9/11)
NASDAQ: 22,043.08  △157.02 (9/11)

1.概況

前日の米国市場は主要3指数が揃って最高値を更新となりました。11日発表の物価・雇用指標を受けて米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げに動くとの見方が強まり、金融緩和が米経済を支えるとの観測が広がったことが、主力株への買いにつながりました。

ダウ平均は86ドル高の45,577ドルで取引を開始しました。朝方に上げ幅を拡大し、早々に節目の46,000ドルを超えると、その後は横ばい圏での推移となりました。利下げ期待を材料に底堅さを維持したダウ平均は、最終的に617ドル高の46,108ドルで最高値を更新、終値で初の46,000ドル台を付け、取引を終えました。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も157ポイント高の22,043ポイントで4日続伸、連日で最高値を更新しました。S&P500株価指数も55ポイント高の6,587ポイントで最高値を更新し、取引を終えました。

2,経済指標等

8月の消費者物価指数(CPI)は概ね市場予想通りとなりました。コア指標における前年比は3.1%上昇、前月比0.3%上昇と前回7月の結果から横ばいとなりました。ヘッドライン(総合指数)では前年比2.9%上昇、前月比0.4%上昇と、前月比のみ市場予想・前回結果を上回りました。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち10業種が上昇しました。素材が2.1%上昇となり、セクター内の上昇率トップとなりました。ヘルスケアなど4業種が1%台後半の上昇となり、そのほか5業種が1%未満の上昇となりました。エネルギーのみが0.1%未満の下落となりました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中25銘柄が上昇しました。スリーエム[MMM]が3.8%高で構成銘柄中の上昇率トップとなりました。シャーウィンウィリアムズ[SHW]も3%台の上昇となったほか、トラベラーズ・カンパニーズ[TRV]など4銘柄が2%台の上昇となりました。また、13銘柄が1%台の上昇となりました。一方、下落は5銘柄でボーイング[BA]が3.3%安となり、そのほか4銘柄は1%未満の小幅安となりました。

ダウ平均構成銘柄以外では、半導体メモリーのマイクロン・テクノロジー[MU]がアナリストの目標株価引き上げを受け7.6%高となりました。パラマウント・スカイダンス[PSKY]は同業のワーナーブラザース・ディスカバリー・インク[WBD]を買収するとの報道が好感され15.6%高、ワーナーも28.9%高となりました。一方で、デルタ航空[DAL]はエコノミークラスなど低価格帯の座席確保に苦戦していると伝わり、これが嫌気され1.5%安となりました。

5.為替・金利等

長期金利は、前日から0.02%低い4.02%となりました。利下げ観測を受けて一時は4%を割り込む場面も見られました。12日朝のドル円は147円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

前日の米国市場は主要3指数が揃って最高値を更新となりました。米国株高を受けて、日本市場も買いが優勢でのスタートが予想されます。そのほかメジャーSQが注目される中で、連日で最高値を更新していることから利益確定の売りも出やすいものと考えられます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)