モトリーフール米国本社 – 2025年9月7日 投稿記事より

最近、テクノロジーの世界では、わくわくするようなトレンドが生まれています。AIは関連する銘柄を保有している投資家に利益をもたらす可能性があります。以下に取り上げる企業は、急成長によって売上げを急速に伸ばしています。そして、今後5年以内に株価が2倍になる可能性があると考えられます。

今回は、長期投資戦略で約500ドルを投資できるとした場合に魅力的な銘柄だと考えられるレディット[RDDT]とスノーフレイク[SNOW]についてみていきましょう。

ソーシャルメディア(SNS)運営大手:レディット[RDDT]

大規模言語モデル(LLM)の学習やデータをライセンス供与する事業が急成長

統計データプラットフォームのスタティスタによれば、現在、SNS広告の市場規模は約2,340億ドルですが、さらに成長の拡大の余地があると考えられます。レディットはこの追い風から恩恵を受けています。特に、同社が魅力的な成長株とされる理由は、ユーザー同士の会話から得られるデータがAIモデルの開発者にとって非常に価値があるという点です。

本稿執筆時点で株価は2025年の年初から40%を超える上昇となっており、今後5年間でプラットフォームの成長に伴ってさらに大きく上昇する可能性があります。

レディットのアクティブユーザーは1日当たり1億1,000万人を超え、ヒトが生み出す膨大な量の本物のテキストを創出しています。2024年には、アルファベット[GOOGL]傘下の検索分野の巨人グーグルと契約を結び、AIモデル(LLM)の訓練に向けデータを提供することになりました。データライセンス収入などを含むレディットの「その他収益」は、2022年の1,400万ドルから、直近12ケ月では1億3,500万ドルまで増加しています。

広告収入、前年同期84%増の急拡大

レディットの最大の収益源は広告収入です。2025年第2四半期には、広告収入が前年同期比84%増と急拡大しました。これは、2024年に開始したAIチャット機能「レディット・アンサーズ」のようなAIツールを使って、検索や発見機能を強化したことで、ユーザーのエンゲージメントが高まったことが要因です。

本稿執筆時点の株価/売上高倍率(PSR)は25倍と、高成長のデジタル広告企業としては妥当な水準にあります。ウォール街のコンセンサス予想では、レディットの総売上高は、今後5年間に年率33%のペースで成長するとみられています。

レディットの売上げが今後も高成長を続け、収益性の改善によって利益が拡大すれば、株価は2030年までに容易に2倍になる可能性があります。投資家が妥当とするPSRによっては、それより早まるかもしれません。投資家は、レディットに割高なバリュエーションを与え続ける公算が大きいと思われます。広告以外にデータを収益化するなど収益源を多角化する潜在力があるためです。

データストレージ分野のトップ企業:スノーフレイク[SNOW]

人工知能(AI)を活用したデータ分析に強み

IT市場調査会社IDCによると、生成されるデータ量は急増しており、今年は175ゼタバイト(1ゼタバイトは1ギガバイトの1兆倍)に達すると予想されています。これは、スノーフレイクのデータクラウド・プラットフォームにとって、大きな機会です。AIを活用したデータ分析需要が増加し続けているためです。

スノーフレイクは、企業がデータを分析・保存・他社と共有するために使うデータストレージ分野のトップ企業です。直近12ヶ月間の売上高は、過去3年で2倍以上に成長しており、最新の四半期決算ではプロダクト収入が前年同期比32%増加しました。

スノーフレイクに対しては、IT大手のマイクロソフト[MSFT]や同業のデータブリックス(未上場)などとの競争が激化しているデータ分析ソフトウエア市場において、同社の立ち位置がどこになるのかという点に関して懸念がありました。しかし、同社は結果を出し、新製品を次々に展開して成長を続けています。

スノーフレイクが提供する「コーテックスAI」は、AIの誤認識(ハルシネーション)を減らすのに役立っています。これは、同社が高品質のデータに特化することで可能となっています。さらに、同社は顧客の40%が他の企業とデータを共有していると発表しています。これは、同社を利用する上で重要なポイントです。すなわち、企業がAIに学習させるデータの質を向上させるのに役立つからです。

スノーフレークの売上高は今後5年で年率23%のペースで成長する見込み

投資家は、スノーフレイクが革新的であることを過小評価しています。2025年上半期だけでも約250の新機能を立ち上げており、これが成長の勢いを後押ししています。経営陣は、スノーフレイクが参入可能な市場規模は、2024年の1,700億ドルから2029年には3,550億ドルに倍増すると推計しており、株価の上昇を支える材料になるはずです。

コンセンサス予想では、スノーフレイクの売上高が今後5年間、年率23%のペースで成長するとしています。これは、株価が2倍になるには十分な成長率です。本稿執筆時点のPSRは17.9倍と、過去3年間の平均である19.8倍を下回っています。さらに、事業の拡大に伴ってフリーキャッシュフローも改善していることから、投資家が2030年までに資産を2倍にできる可能性は高いと考えられます。

免責事項と開示事項  記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者John Ballardは記載されたどの銘柄の株式も保有していません。モトリーフール米国本社はアルファベット、マイクロソフト、スノーフレイクの株式を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は、次のオプションを推奨しています。マイクロソフト2026年1月限月395ドル・コールオプションのロング、マイクロソフト2026年1月限月405ドル・コールオプションのショート。モトリーフール米国本社は情報開示方針を定めています。