【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 45,711.34  △196.39 (9/9)
NASDAQ: 21,879.49  △80.79 (9/9)

1.概況

前日の米国市場は主要3指数が揃って続伸、最高値を更新しました。米雇用統計の2025年3月までの1年間における年次改定が発表され、改めて労働市場の弱さが示されたことで、9月の米利下げ再開がほぼ確実視されたことが買い安心感につながりました。

ダウ平均は、32ドル高の45,547ドルで取引を開始しました。朝方は、前日の終値である45,514ドル付近で一進一退の推移となるも、次第に上げ幅を拡大し、最終的には196ドル高の45,711ドルと最高値を更新して取引を終えました。

S&P500株価指数も17ポイント高の6,512ポイント、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は80ポイント高の21,879ポイントで取引を終え、ともに最高値を更新しました。

2.経済指標等

米雇用統計の年次改定では、2025年3月までの1年間の雇用者数が推計値で従来よりも91万1,000人、下方修正されました。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち8業種が上昇しました。コミュニケーション・サービスが1.6%高となり、セクター内の上昇率トップとなりました。公益事業などそのほか7業種は1%未満の上昇となりました。一方で3業種が下落となり、中でも素材が下落率トップとなる1.6%安となりました。その他資本財・サービス、不動産が1%未満の下落となりました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中15銘柄が上昇となりました。ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]は今期の収益見通しを据え置くと米証券取引委員会(SEC)に届け出たことが好感され、構成銘柄中の上昇率トップとなる8.6%高となりました。ゴールドマン・サックス[GS]が3%近い上昇となったほか、エヌビディア[NVDA]など4銘柄が1%台の上昇となりました。一方で15銘柄が下落し、シャーウィンウィリアムズ[SHW]が3.7%安で下落率トップとなりました。その他、同日イベントにて新しいiPhone17を発表したアップル[AAPL]などが1%以上の下落となりました。

オランダのインフラ企業ネビウス・グループ[NBIS]はマイクロソフト[MSFT]とのAI向けクラウド事業における契約を発表したことで49%高の大幅高となりました。半導体サプライヤーのウォルフスピード・インク[WOLF]は、裁判所が同社の再建計画を承認したと伝わったことで48%高となりました。

5.為替・金利等

長期金利は、前日から0.04%高い4.08%となりました。10日朝のドル円は147円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

前日の米国市場は主要3指数が揃って最高値を更新しました。米雇用統計の年次改定が下方修正され、来週のFOMC(米連邦公開市場委員会)での利下げ期待の高まりが株高につながりました。これを受けて、日本市場は上昇してのスタートが予想されます。

一方で、今晩発表される米PPI(生産者物価指数)の内容を見極めたいとの思惑から、後半にかけて持ち高調整の動きがでる可能性があるでしょう。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)