東京市場まとめ
1.概況
日経平均は19円高の42,629円と小幅反発で寄付きました。米金利の上昇を受けて外国為替市場で円安・ドル高が進み、輸出関連株を中心に買いが先行し、一時上げ幅は100円を超えました。その後は失速し、前日比200円超まで下げ幅を広げる展開となるも、下値では拾われて盛り返しており、前日終値を挟んだ一進一退となったあと小幅なプラスで前場を終えました。
今晩にはカンザスシティー連銀の年次シンポジウムであるジャクソンホール会合で、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の講演を控える中、様子見ムードが継続し、後場は前日比小安い水準で終始小動きとなりましたが最終的には23円高の42,633円で大引けとなりました。
新興市場では東証グロース250指数が3日続落、0.4%安で取引を終えました。
2.個別銘柄等
ゆうちょ銀行(7182)は一時前日比4.0%高の1,932.5円となり、上場来高値を付けました。朝方の消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回り、日銀の早期利上げ観測が高まったことで、利ザヤ拡大を見込んだ買いが銀行株に集まる展開となりました。
富士通(6702)が反発、一時前日比3.0%高の3,663円まで上昇し、25年ぶり高値をつけました。理化学研究所が22日、国の基幹スーパーコンピューター「富岳」の後継機の開発に米半導体大手エヌビディアが参加すると発表しました。富士通の開発参加も決まっており、エヌビディアの画像処理半導体(GPU)を取り込むことで世界最高水準の性能のスパコンが実現すれば、富士通の技術競争力の強化に追い風との見方から買いを集めました。
三越伊勢丹ホールディングス(3099)が4日ぶりに反発し前日比3%高の2,560円となりました。国内証券が同社の投資判断「Buy」(3段階中最上位)を継続し、目標株価を2,720円から2,930円に引き上げました。販売・経費両面で取り組みは順調と指摘しており国内顧客向けを中心に売り上げ拡大の継続が確認できれば、先行き利益の改善・成長確度が一段と高まると予想しています。
アドバンテスト(6857)が反落し、一時前日比2.6%安の10,660円まで下落しました。米エヌビディアが中国市場向けに特別に設計された人工知能半導体「H20」に関連する生産作業の停止を部品供給業者に指示した、と一部で報じられたことを受け、半導体市況への影響を懸念した売りが出ました。
航空券予約のエアトリ(6191)が反落、一時前日比9.4%安の944円まで売られました。21日の取引終了後、株主優待制度を廃止すると発表しており、株主優待狙いの個人投資家の保有が多かったと見られ、嫌気した売りが出ました。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は小動きながら、4日ぶりに前日比プラスで終え、最高値を付けてからの調整は3日連続安で一服となりました。高値圏で様子見姿勢が強まる中、今晩はパウエル議長の講演が予定されており、今後のFRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策へのヒントが示されるか、今後の相場展開を占ううえで注目されます。
(マネックス証券 インベストメント・ストラテジーズ 塚本 憲弘)
