今週いちばんの注目材料は「ジャクソンホール会議」

今週いちばんの注目材料はカンザスシティー連銀がワイオミング州ジャクソンホールで開催する経済政策シンポジウム「ジャクソンホール会議」だ。 会期は21~23日の日程だが、なんといっても現地時間22日午前のパウエルFRB議長による基調講演が目玉だ(日本時間午後11時)。講演のテーマは「Economic Outlook and Framework Review」で、今後の利下げにどのようなスタンスを示すのかが大いに注目される

発言次第で利下げ期待が高まり、世界的に株価の一段高を助長するか、あるいは引き続き慎重なトーンの発言で市場の失望を買うか、どちらのシナリオもあり得るだけに予断は禁物だ。市場はかなり利下げに前のめり気味だけに後者の場合の反動安に警戒が必要だろう。 先週発表された7月の米生産者物価指数(PPI)は3年ぶりの大幅上昇となった。関税に関連する輸入コストの上昇を企業が価格に転嫁しつつあることを示唆している。 今回のPPI統計を受けて、物価上昇圧力の再燃リスクが残っていることが示されただけにパウエル議長は慎重姿勢を維持する公算が高いと思うが、トランプ大統領ら周囲からのプレッシャーも高まっており、果たしてどのようなコメントをするのか皆目見当がつかない。

国内の材料では7月CPIに注目

国内の材料では22日に発表される7月の消費者物価指数(CPI)が注目だ。その結果は日銀の利上げ観測に影響する。先週はGDPの上振れという材料が日経平均の史上最高値更新を後押ししたが、それは同時にまた日銀の利上げ観測を強めることにもつながった。堅調な国内経済のもとでCPIも依然強いままとなれば日銀の利上げを正当化する結果となる。 しかし、先行指標となる7月の東京都区部の消費者物価指数は変動の大きい生鮮食品を除く総合が前年同月比2.9%の上昇で、伸びは2ヶ月連続で縮小している。判断が分かれるところだ。

そのほかの注目は、トランプ大統領が半導体に関税を課すと発言した影響がどのように日本の半導体関連株に及ぶかだ。エヌビディア[NVDA]の決算発表が来週27日に予定されているだけにあまり下げないのではないかと思われる。

日経平均は先週、最高値を更新したが、今週はジャクソンホールでのパウエル議長の講演が週末にあるため、それまで様子見が続き、高値圏でのもみ合いに終始するだろう。

予想レンジは4万2500円~4万3800円とする。