東京市場まとめ

1.概況

前日の米国市場で主要3指数が揃って上昇した流れを引継ぎ、日経平均は372円高の43,090円と大幅続伸で寄付きました。TOPIXも買いが優勢でのスタートとなり、2指数がともに寄付きから最高値を更新する展開となりました。前場の中頃に上げ幅を縮小した日経平均は582円高の43,301円で前引けとなりました。

後場も勢いを落とすことなく、序盤は上げ幅を拡大しての推移となりました。13時38分には733円高の43,451円をつけ本日の高値を更新しました。その後は利益確定の売りが出るも、後半にかけて持ち直し、最終的には556円高の43,274円で大引けとなりました。TOPIXも堅調な推移となり、25ポイント高の3,091ポイントで6日続伸となりました。

新興市場では東証グロース250指数が小幅安となり、777ポイントと続落で取引を終えました。

2.個別銘柄等

三菱重工業(7011)は一時4.1%高の4,124円をつけ株式分割考慮後の上場来高値を更新しました。先週5日に発表した2026年3月期の第1四半期決算は、純利益が前年同期比9.5%増の682億円と堅調な内容で、昨今の防衛関連銘柄としてのテーマ性もあって買いが優勢となりました。

サンリオ(8136)は一時10.6%高の7,970円をつけ株式分割考慮後の上場来高値を更新しました。先週8日には2026年3月期の通期の業績と配当予想を上方修正しており、本日も先行きの成長性の高さを見込んだ買いが入りました。

日東紡績(3110)は6.0%高の6,210円をつけ4日続伸となりました。外資系証券が同社の投資判断を3段階で真ん中の「イコールウエート」から最上位の「オーバーウエート」に引き上げ、足元で同社株価は下落したものの、「中期的な成長可能性に変化はない」との見方を材料視した買いが入りました。

半導体製造工程におけるウェーハテストで用いられるプローブカードを手掛ける日本マイクロニクス(6871)は13.3%安の4,690円をつけ大幅反落となりました。12日、今期(2026年3月期)の第3四半期までの純利益が従来予想の85億円から下方修正となる68億円になりそうだと発表し、これを嫌気した売りが出ました。

Vチューバー事務所を運営するカバー(5253)は0.5%安の2,188円をつけ反落となりました。12日に発表した2026年3月期の第1四半期決算は、営業利益が前年同期比16.5%増の9.72億円と増益だったものの市場予想を下回ったことが売り材料となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均とTOPIXはともに連日で最高値を更新しました。世界的な株高の流れの中、日本市場は海外勢による株価指数先物の買いが現物にも波及しています。明日に向けては、9月の政策金利引き下げが見込まれる中、米国のシカゴ連銀とアトランタ連銀総裁の講演が注目されます。

昨日のCPI(消費者物価指数)の結果を受け、足元では急速に利下げ期待が高まっています。こうした状況下で当局者が現状の物価や雇用環境をどう捉えているか、利下げについてどのような見解を示すのかに関心が集まります。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)