東京市場まとめ
1.概況
日経平均は230円安の40,767円と続落で寄付きました。利益確定や持ち高調整の売りが出てのスタートとなった日経平均は、前日に引き続き半導体関連銘柄が軟調な展開となりました。一進一退の推移ながらも徐々に下げ幅を拡大し、374円安の40,623円で前引けとなりました。
後場に入っても基調は変わることなく、中ごろには下げ幅を拡大しての推移となりました。14時37分に434円安の40,563円をつけ本日の安値を更新すると、小幅に持ち直しました。一方で直近に控える日米の中銀会合や主要銘柄の決算発表を前に、持ち高調整の動きとなり、最終的には323円安の40,674円と3日続落で大引けとなりました。
新興市場では東証グロース250指数が6日ぶりに反落となる1.5%安で取引を終えました。
2.個別銘柄等
野村総合研究所(4307)は8.3%高の5,881円をつけ大幅反発となりました。28日、2026年3月期の第1四半期決算にて、純利益が前年同期比17.3%増の260億円と、市場予想を上回る堅調な業績を発表したことが買い材料となりました。利益率の改善などが好印象と評価されています。
レーザーテック(6920)は8.3%安の14,850円をつけ4日続落となりました。外資系証券がレーザーテックの投資判断を3段階で真ん中の「イコールウエート」から最下位の「アンダーウエート」に引き下げ、また目標株価は従来の11,700円から11,000円に下方修正したことが嫌気され売りが出ました。
清水建設(1803)は一時8.4%高の1,788円をつけ年初来高値を更新しました。29日13時に発表した2026年3月期第1四半期決算は、工事の採算性改善や開発物件の売却が寄与し、純利益が前年同期と比べて4.6倍の111億円と大幅増益となったことが好感され買いが集まりました。
コマツ(6301)は5.7%安の5,022円をつけ3日続落となりました。29日、14時30分に発表した2026年3月期の第1四半期決算は、コスト増や円高進行の影響を補いきれず、営業利益が前年同期比10.6%減の1,403億円であったと発表し、米国による関税政策の業績影響を引き下げるも、業績の先行きを不安視する見方から売りが出ました。
AI開発のオルツ(260A)は15%安の51円をつけ年初来安値を更新しました。28日午前、過去4年間の決算の売上などの過大計上について第三者委員会が調査報告書を公表したほか、東証が同社を審査中ながら監理銘柄に指定したことから、上場廃止懸念が広がり、前日に続き換金売りが殺到しています。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は3日続落となりました。ここまでの決算銘柄も、ポジティブサプライズには乏しく比較的売りが優勢となっている印象です。明日に向けて、大引け後の決算銘柄は、ここ数日売りが目立つアドバンテスト(6857)やJR東海(9022)、キーエンス(6861)、野村ホールディングス(8604)が予定されています。また本日夜間からFOMC(米連邦公開市場委員会)が行われ、米国時間30日(日本時間31日未明)にはパウエル同議長の会見が予定されています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
