【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 44,828.53  △344.11 (7/3)
NASDAQ: 20,601.10  △207.97 (7/3)

1.概況

前日の米国市場は、3指数揃って続伸しました。7月4日の米独立記念日の連休を控え、寄付き前に発表された米雇用統計が市場予想を上回る強い結果となったことで、労働市場の底堅さを意識した買いが先行しました。ダウ平均は81ドル高の44,565ドルで取引を開始し、その後も堅調に推移しました。

また、米政府が5月に導入した半導体設計ソフトの対中輸出規制を撤回したことが明らかになり、米中関係の改善や通商交渉の進展への期待感から半導体株に買いが入ったことも、ハイテク株を支えました。

ダウ平均は344ドル高で取引を終え、反発となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は207ポイント高の20,601ポイント、S&P500株価指数も51ポイント高の6,279ポイントと、それぞれ続伸し、両指数は揃って史上最高値を更新しました。

2.経済指標等

7月の米雇用統計では、失業率が4.1%となり、市場予想および前回結果を下回りました。また、非農業部門雇用者数は前月比14万7,000人増となり、こちらも市場予想および前回結果を上回りました。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち情報技術や金融、資本財・サービスなど10業種が上昇しました。一方、素材の1業種だけがわずかに下落しました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では、30銘柄中22銘柄が上昇しました。特にトラベラーズ・カンパニーズ[TRV]が2%超上昇しました。ボーイング[BA]は、インドネシアの国営航空が同社の航空機の購入を交渉中と伝わったことで、1%台後半の上昇となりました。その他、アマゾン・ドットコム[AMZN]、マイクロソフト[MSFT]、アイビーエム[IBM]など9銘柄が1%以上上昇しました。一方、7銘柄が下落し、メルク[MRK]は1%台後半の下落、そのほか6銘柄は1%未満の下落となりました。

ダウ平均構成銘柄以外では、ソフトウェアソリューションを提供するデータドッグ[DDOG]が、S&P500指数構成銘柄に9日付で採用されることが明らかになり、14.9%上昇しました。また、米国による半導体設計ソフトウェアの輸出制限が緩和されたことが伝わり、半導体ソフト設計のシノプシス[SNPS]は4.9%、ケイデンス・デザイン・システムズ[CDNS]も5.1%の上昇となりました。

5.為替・金利等

米長期金利は前日比0.06%高い4.34%となりました。4日朝時点のドル円は144円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

前日の米国市場は、主要3指数が揃って上昇しました。米雇用統計の結果が堅調だったことで、労働市場の底堅さが買い材料となりました。これを受け、日本市場でも買いが先行してのスタートが予想されます。

また、ドル円相場は1ドル144円台後半から145円台の推移と、前日と比べて円安が進行していることも、輸出関連銘柄を支える要因となると考えられ、幅広い銘柄への買いが入ると見込まれます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)