6月23日(月)の日経平均は、地政学リスクの高まりによる混乱は見られず
週明け6月23日(月)の日経平均は反発しました。序盤は米国がイランの核施設を攻撃したことを嫌気して下げ幅を広げましたが、心理的節目の38,000円や25日移動平均線(37,920円 、6月23日付)などを下値で意識して、持ち直す展開となりました。先週(6月16日週)末比ではマイナスで終わりましたが、3日ぶりの陽線でほぼ高値圏引けとなりました。地政学リスクの高まりによって、混乱するような動きは見られませんでした。
寄り付き前の段階において、日経平均先物は大きく気配を下げていなかったため、気持ちはリスク回避でありながらも、市場の織り込みはそうではなかったということです。為替市場では円安が進行していましたが、円安が逆風となる、いわゆる「円高メリット」株がそこまで大きく下げなかったことや、円安進行でも自動車株などは相対的な底堅ささえも見せなかったことから、円安は一時的という織り込みもあったように感じています。
当面の注目テーマはゲーム株や半導体関連株
防衛関連株は、米国防総省が6月21日、日本を含むアジアの同盟国は国防費をGDP比5%まで増額する必要があると表明したことが材料視される場面もありましたが、上昇できませんでした。地政学リスクや国防費の増額連想でも上昇し切れないのは、高値圏の証左なのかもしれません。また、電線株も上値が重くなってきました。そんな中、ゲーム株や半導体関連株に元気がでてきました。当面の注目テーマになりそうです。
米国では、7月の利下げムードが強くなってきました。6月20日、FRB(米連邦準備制度理事会)のウォラー理事は7月にも利下げを実施することは可能だとの見解を示しました。さらに、シカゴ連銀のグールズビー総裁は23日、関税によるインフレへの影響が抑えられた状態が続けば、利下げを再開する可能性があるとの見解を示したようです。
さらに、ボウマン副議長(銀行監督担当)も状況次第では、早ければ7月に利下げを支持する可能性があると示唆したようです。これらは、米国株には追い風となるでしょう。「マグニフィセント・セブン」中心に、サマーラリーが始まることに期待したいところです。
再注目の半導体株
東京市場でもハイテク株の中心である半導体株が買われる可能性がある中、ここでは選別が必要です。図表をご覧いただくと、例えば、日経平均採用銘柄で代表的な半導体製造装置は、アドバンテスト(6857)、SCREENホールディングス(7735)、東京エレクトロン(8035)、ディスコ(6146)、レーザーテック(6920)がありますが、2024年8月に急落が生じた以降の動きは各企業によってかい離した動きになっています。

現時点で、最も強い、最も上昇しているのは、アドバンテストです。逆に、レーザーテックは最も出遅れ感がありながらも底値圏から立ち上がり、最近2025年1月につけた年初来高値を更新しました。個人的には、今強い前者よりも後者を選びたいところです。後者は、投資判断を引き上げている証券会社もあり、少しずつ気づきだしてきたようです。