先週(5月25日週)のBTC(ビットコイン)は週の前半は上昇しましたが、週後半は下落しました。米国の暗号資産ETFからの売りも目立っており、売越しの日が継続されたためとみています。5月31日、6月1日の週末はわずかでしたが2日続けて陽線で終えており、上昇トレンドラインを割り込んではきたものの、踏ん張りを見せています。

本日(本稿執筆時点=6月2日)は6月の初営業日です、月初は新規フローが期待できるため、今週(6月2日週)は週足レベルで陽線になりやすい日柄ではないでしょうか。

さらに、今週は米国で重要経済指標が多く発表されます。中でも6月6日(金)発表の5月雇用統計には注目です。トランプ関税発動後に雇用情勢がどのように影響を受けたか、指標内容で読み取れるようになってくるでしょう。意外にも経済失速が見られなかった場合は買い戻しの動きも見せてくると思います。

個人的には、リスクオン方向で推移するのではないかと予想しています。アナリストの多くがトランプ関税を懐疑的に見ている印象があり、そのことが市場悪化の予想へとつながっているのではと感じています。

よって、市場予想が低く出やすい傾向があるため、蓋を開けると事前予想を上回る結果になるかもしれません。つまり、この展開を期待した買い戻しがあることを予想しています。

経験上、誰もが悪化を予想できる世界情勢になった場合、市場予想を下回ると各投資家もリスクオフ方向を意識しがちなため、その反動が出た場合は逆方向にショートカバーが大きく動くことが多いです。よって、今週は買い方にチャンスがあると考えています。

BTC(ビットコイン)、目先の目安は1550万円付近か?

【図表1】BTC/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

BTC/JPY日足チャート分析です。トレンドラインを横方向に抜けてきており、MACDもデッドクロスしていることから反落に警戒したいところです。

6月2日時点ではSMA30(黄色)にサポートされつつ、踏ん張っています。再度1,600万円方向に動く値動きがあれば、MACDダイバージェンスの解消も進むでしょう。

理想は高値圏での三角保合でしょうか。あと2週間ほど1,500-1,600万円でのレンジ相場が続けば、テクニカル的にも買われすぎのシグナルが解消されるため、それを待ちたいところです。

【図表2】 BTC/JPY 4時間足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

BTC/JPY4時間足チャートに切り替えます。下落並行チャネルを形成中で、下限ラインでサポートされました。SMA200(橙)も重なり、テクニカル的にはサポートされやすい価格帯が1,500万円割れに推移していた状況です。

現在も1,490-1,495万円付近でSMA200と下限ラインが重なっており、押した場合はこの水準でサポートされやすいでしょう。

個人的には、上値の目処はSMA90(水色)付近、1550万円あたりを目先ターゲットとしています。日足の足形もしばらく上値が重そうな形状になりつつあることから、4時間足でのこの上値の抵抗線でポジションを縮小し、再度押し目で入るスタンスで準備しておいた方がよいかもしれません。

200日移動平均線に抑えられるETH(イーサリアム)、週末まで様子見か?

【図表3】ETH/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

ETH/JPY日足チャート分析です。SMA200(橙)をしっかりと抑え込まれており、ダブルトップ形成中にも見えます。下値をギリギリ切り上げている形状にも見えるため、テクニカル的には現在価格が勝負の分かれ目かもしれません。SMA30(黄色)がテクニカル的なサポートとなるため、この水準からの打診買いを意識するという程度でしょうか。

【図表4】 ETH/JPY 4時間足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

ETH/JPY4時間足分析です。日足を元に押し目買いレベルを細かく見ていきます。

現在上昇トレンドラインを維持しており、36万円付近が良いポイントとなっています。この水準を下抜けてしまう場合、SMA200(橙)が次のサポートになりそうですが、週後半あたりからの反落でないと、テクニカル的には少々厳しいかもしれません。

週末に近づくにつれ、SMA200が35万円付近に到達しそうな状況から、この水準まで切り上げてくれていた方がサポートされやすいでしょう。そういった意味ではETHの押し目買いは現状水準か、またはもう4~5日待ってからエントリーを狙った方がよいかもしれません。

今週はBTCもETHも上値を追いかける可能性を残しているものの、テクニカル的には横向きでの推移を予想します。レンジ相場を前提に押し目が入った場合のみエントリーしていく戦略でよいのではないでしょうか。今週は、現状の買いトレードは継続しつつ、上昇したところで少し売り抜けというイメージでいきたいと思います。