【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 42,677.24  ▼114.83 (5/20)
NASDAQ: 19,142.71  ▼72.75 (5/20)

1.概況

昨日の米国市場では、主要3指数が揃って小幅に反落しました。米国の財政赤字の悪化が懸念される中、長期金利の上昇が相場の重荷となりました。また、前日に3月上旬以来の高値を付けたことを受け、これまで上昇していた主力株やハイテク株には利益確定売りや持ち高調整の売りが広がりました。

ダウ平均は56ドル安で寄付き、すぐにプラスに転じて7ポイント高の42,800ドルを付けました。しかし、その後は再び下落に転じ、取引終盤にかけて下げ幅を広げると、一時は306ドル安の42,485ドルまで下落しました。安値を付けた後は引けにかけて下げ幅を縮小し、最終的には114ドル安の42,677ドルで取引を終え、4日ぶりに小幅反落しました。

また、S&P500株価指数は23ポイント安の5,940ポイントで取引を終え、7日ぶりに小幅反落となりました。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も72ポイント安の19,142ポイントで取引を終え、3日ぶりに小幅に反落しています。

2.経済指標等

主な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち公益事業やヘルスケア、生活必需品の3業種が小幅に上昇となりました。一方で、8業種が下落し、エネルギーやコミュニケーション・サービス、一般消費財・サービスなどが1%未満の下落となりました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中10銘柄が上昇となりました。なかでも、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]とボーイング[BA]が1%超上昇しました。一方で、20銘柄が下落となり、アメリカン・エキスプレス[AXP]とアマゾン・ドットコム[AMZN]が1%超下落しました。

ダウ平均構成銘柄以外では、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ[HPE]が、アナリストによる投資判断と目標株価の引き上げを受けて1.5%上昇しました。また、量子コンピューティングのDウェーブ クオンタム[QBTS]は、同社の量子コンピューティングシステムの一般提供開始を発表したことが好感され、株価は25.9%上昇しました。

一方、信用スコア提供会社のフェア・アイザック[FICO]は8.1%下落し、S&P500株価指数構成銘柄の値下がり率ランキングでワーストとなりました。同社の価格設定に関して、連邦住宅金融局(FHFA)のビル・パルテ局長が懸念を示し、より費用対効果の高い信用評価オプションへの支持を表明したことが悪材料視されました。また、民泊サイトのエアビーアンドビー[ABNB]は、スペイン政府が同社に対し、プラットフォームから約6万6000件の掲載を削除するよう命じたと報じられたことが嫌気され、株価は3.3%下落しました。

5.為替・金利等

米長期金利は、前日から0.03%高い4.48 %で取引を終えました。ドル円は、144円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

昨日の米国市場で主要3指数が揃って小幅に反落となりました。こうしたなか、日本市場も本日は小動きでのスタートが見込まれ、日経平均は37,500円以上をキープ出来るかが焦点となりそうです。本日もまた、引き続き通商政策を巡る政治ニュースなどを受けた為替や金利動向に神経質な展開となりそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)