先週、BTCは思わぬ上昇となりました。1400万円を突破すると、さらに上げ足を早め1500万円台まで価格を伸ばしました。

5月7日に開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)の翌日、東京時間からBTCは急騰し始めました。海外のデリバティブ市場では大型ストップロスが発生し、暗号資産市場全体では過去4年間最大のロスカットが走ったようです。これがBTC価格を押し上げました。

現物市場での買いポジション増加量はまずまずですが、ほとんどは買い戻しが先物市場にて発生し、思わぬ上昇を巻き起こしていた模様です。またETHも急騰し、価格が回復傾向にあります。

政治面ではこの週末、スイスのジュネーブで米国と中国が貿易問題について協議を行いました。報道によると一定の進展があったようで期待が前進している模様です。これ以上の悪化は考えにくいため、株式市場も暗号資産市場もこの報道に好感を持っているようです。思わぬポジティブ相場が続くかもしれません。

BTC(ビットコイン)、史上最高値に向けて断続的に上昇か?

【図表1】BTC/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

BTC/JPY日足チャート分析です。SMA200(橙)を突破し、上昇に弾みがつきました。SMA30(黄色)やSMA90(水色)は、SMA200に対してゴールデンクロスが実現していません。これから高値を超えていけば実現し、この価格帯でこのテクニカル的な条件が発生すると、さらなる強気材料となりそうです。

もうしばらくリスクオフ相場が続くと予想していましたが、アク抜け感が出てきました。また、米国から資金が流出しており、米国株はそこまで好調とは言い難い状況です。暗号資産に資金が向かっている可能性が高く、個人的にはこれまであまり経験をしたことがない上昇トレンドだと感じており、引き続きこのトレンドは注視したいと思います。

【図表2】BTC/JPY 4時間足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

BTC/JPY4時間足分析です。直近は大きな上昇相場を演じたため、MACDはダイバージェンスを発生させています。よって、今週前半はレンジ相場でしょうか。5月13日に米CPIが発表されますが、インフレ率上昇の懸念もあるため、5月12日~13日で一時的な調整が入る可能性もあります。その押し目を拾っていくとよいかもしれません。

SMA30(黄色)付近からサポートを意識し、拾っていくスタンスがよいのではないでしょうか。SMA90(水色)は少し距離があるため、サポートとしての期待は見送る予定です。飛びつき買いは程々に、1480万円~1500万円からの押し目買いを意識したいと思います。

ETH(イーサリアム)は週足大陽線が出現、200週線を突破

【図表3】ETH/JPY 週足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

続いて、ETH/JPY週足チャート分析です。大型アップデートPectra(ペクトラ)を得て、大幅上昇となりました。BTCが上昇を開始した日の前日が大型アップデート日だったため、これがきっかけになったのかは定かではありません。しかし、200週線を抜けたことはテクニカル的にも大きいでしょう。

目先SMA30(黄色)とSMA90(水色)への回復が期待されます。MACDも半年ぶりのゴールデンクロスとなったため、高値付近までの回復に期待が持てそうです。

【図表4】ETH/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

ETH/JPY日足チャート分析です。SMA200(橙)に向けて上昇途中でしょうか。40-41万円で推移しているので、このあたりを第1ターゲットとしたいと思います。しかし、この価格帯でも2025年2月ごろの価格であることを考えると、さほど買われすぎという水準でもありません。

日足レベルでは逆三尊が完成しているため、目先のレジサポラインでは良い買い場を提供してくれる可能性があり、底堅く推移しそうです。

しばらくネガティブな相場感を持っていましたが、海外市場のデリバティブ市場で大きなショートカバーが入ったことからも、中期的な下げトレンドは一服した可能性が高そうです。トレンド転換期待ということで、新規資金流入が見込めるでしょう。

テクニカル的には非常に良い形状をしているため、思わぬ反発が続くかもしれません。私自身は、まずは目先40万円超えの200日移動平均線到達を期待した買いトレードで回していこうと考えています。