企業価値の評価において、最も重要な指標の一つがキャッシュフローです。
例えば、アマゾン[AMZN]の創業者ジェフ・ベゾス氏は2004年の株主への手紙で、「我々の究極の財務指標であり、また長期にわたって成長させていきたいと考えているのは、1株当たりのフリー・キャッシュフローです」と述べているほか、著名投資家ウォーレン・バフェット氏もまた、企業価値を評価する際にキャッシュフローの重要性を強調しており、投資判断の基礎として位置づけています。

そこで、今回は、キャッシュフロー経営が際立つ企業として、以下の基準で時価総額が大きい順に15銘柄をピックアップしてみました。
1)キャッシュコンバージョンサイクル(CCC)がマイナスであること
2)フリーキャッシュフロー利益率が5%以上であること
3)過去10年間の一株当たりフリーキャッシュフロー成長率が8%以上であること
リストを見ると、アマゾン・ドットコム[AMZN]、マイクロソフト[MSFT]、アップル[AAPL]といったメガテック企業のほか、アルゼンチンに拠点を置く電子商取引(EC)プラットフォーム企業のメルカドリブレ[MELI]、レストランチェーンのチポトレ・メキシカン・グリル[CMG]などが入っています。これらの企業は、強固なキャッシュフロー基盤を持ちながらも、継続的な成長を実現している点が共通しています。

※キャッシュコンバージョンサイクル(CCC)とは、企業が在庫の仕入れから販売、そして売掛金の回収までに要する期間を示す指標。短縮されるほど資金効率が高く、運転資金の回転率が良好であることを示す。
計算式:棚卸資産回転日数+売掛金回転日数-買掛金回転日数

※フリーキャッシュフロー利益率とは、売上高・営業収益に占めるフリーキャッシュフローの割合

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