東京市場まとめ

1.概況

前日の米国市場では、ダウ平均が7日続伸と上昇した流れを引き継ぎ、日経平均は151円高の36,197円で寄付きました。堅調な決算発表を示したマイクロソフト[MSFT]やメタ・プラットフォームズ[META]が時間外取引で大きく上昇したことも後押しし、日本市場では半導体関連銘柄等のハイテク株が指数を押し上げました。前場は一時下げる場面が見られるも196円高の36,241円で引けとなりました。

後場には、日銀の金融政策決定会合の結果が伝わり、日銀が追加利上げに慎重な姿勢であると受け止められたことから、ドル円相場で円が下落しました。輸出関連株を中心に買いが入ったことで、日経平均は一段高となり14時36分には498円高の36,544円をつけ本日の高値を更新しました。その後は伸び悩み、上げ幅を縮小するも、最終的には406円高の36,452円で大引けとなりました。

新興市場では東証グロース250指数が0.6%高で4日続伸となりました。

2.個別銘柄等

村田製作所(6981)は一時17.5%安の1,825.5円をつけ年初来安値を更新しました。4月30日に、2026年3月期(今期)の業績予想を発表し、当期純利益は24.3%減となる1,770億円になる見通しとしました。スマートフォン部品の伸び悩みや円高が理由とされ、市場予想コンセンサスを下回る内容であったことから売りが優勢となりました。

東海旅客鉄道(9022)は9.8%高の3,217円をつけ反発となりました。2026年3月期(今期)は減益予想となるも、年間配当を前期から1円増配する32円としたほか、発行済み株式総数(自己株式を除く)の4.57%にあたる4,500万株、金額にして1,000億円を上限とする自社株買いの実施を発表し、積極的な株主還元を評価した買いが入りました。

三井物産(8031)は3.7%安の2,790円をつけ7日ぶりに反落となりました。5月1日正午ごろ、2026年3月期(今期)の当期純利益は前期比14.5%減となる7,700億円を見込むと発表し、減益予想を嫌気した売りが出ました。

ヨウ素化合物トップの化学メーカーである伊勢化学工業(4107)は0.4%安の22,150円をつけ4月21日以来の反落となりました。4月30日に2025年12月期の第1四半期決算を発表し、当期純利益は前年同期比55.6%増の13億円と、大幅な増益決算を材料に一時、7.4%高まで上昇するも後半にかけて材料出尽くしによる売りが優勢となりました。

駐車場サービスのアズーム(3496)は一時10.4%高の8,620円をつけ株式分割考慮後ベースの上場来高値を更新しました。4月30日、2025年9月期の中間決算を発表し、当期純利益は前年同期比30.1%増の7.6億円となり、増益を好感する買いが集まりました。

VIEW POINT: 明日への視点

日銀が今回の利上げを見送りドル円相場が円安に推移したことで、日経平均は6日続伸で取引を終えました。日米ともに、決算銘柄に売買が集中する中で、明日も同様の展開が予想されます。

国内では明日の取引時間中には三菱商事(8058)、伊藤忠商事(8001)といった商社株の決算が控えており、また米国では本日夜間にアップル[AAPL]、アマゾン・ドットコム[AMZN]、マスターカード[MA]、イーライリリー・アンド・カンパニー[LLY]といった銘柄の決算発表に注目です。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)