4月2日の米国による相互関税の詳細発表以降、米中の貿易摩擦が激しさを増すなか、経済や企業活動の先行きに対する不透明感が強まっています。
こうした局面では、インサイダーや企業自身の投資行動を手がかりに銘柄を選定する視点が一つのヒントとなるかもしれません。
インサイダー購入とは、会社の内部者(経営者や取締役など)が自社株を自腹で購入する行為を指し、現状の株価を割安と内部者が判断している可能性を示唆します。
また、自社株買いは、会社自身が市場から自社株を買い戻すことであり、「株価が割安」との認識や「株主還元を強化したい」という意思を表す行動と受け止められるのが一般的です。
これらの動きは、いずれも企業内部から発せられる「自社株への強気なサイン」として注目されます。
そこで今回は、時価総額が10億ドル以上の企業のうち、過去1ヶ月間にインサイダーによる10万ドル以上の購入があり、かつ期中に自社株買いを実施した銘柄をスクリーニングしてみました。
この条件を満たした銘柄には、ゴールドマン・サックス[GS]、ナイキ[NKE]、セールスフォース[CRM]、アプライド・マテリアルズ[AMAT]、デルタ航空[DAL]、またウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイ[BRK.B]の投資先でもあるアライ・フィナンシャル[ALLY]などが含まれています。
先行きが見通せず市場全体が不安定な局面の今、企業内部から発せられる「強気のサイン」に注目して銘柄選定を行ってみるのはいかがでしょうか。