【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 40,368.96  ▼155.83 (4/15)
NASDAQ: 16,823.17  ▼8.32 (4/15)

1.概況

昨日の米国市場は、主要3指数がそろって小幅に反落しました。主要銀行の好調な決算を受けて寄付き直後は上昇したものの、トランプ政権が半導体や医薬品に対する関税導入に向けた調査を開始したことが明らかとなり、関税政策を巡る不透明感が引き続き相場の重荷となりました。

ダウ平均は3ドル高で取引を開始すると、一時は266ドル高まで上げ幅を広げる場面もありました。しかし、その後は伸び悩み軟調な展開となると、下落に転じ、最終的に155ドル安の40,368ドルで取引を終え、3日ぶりに反落となりました。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は8ポイント安の16,823ポイント、S&P500株価指数は9ポイント安の5,396ポイントで取引を終え、いずれも3日ぶりに小反落となりました。

2.経済指標等

3月の米輸入物価指数は、前月比0.1%低下し、市場予想(0.1%上昇)と前回結果(0.2%上昇)を下回りました。4月のニューヨーク連銀製造業景気指数はマイナス8.1となり、市場予想(マイナス12.0)と前回結果(マイナス20.0)を上回りました。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち、情報技術や不動産、金融、公益事業の4業種が小幅に上昇となりました。一方で、一般消費財・サービスやヘルスケア、生活必需品など7業種が小幅に下落となりました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では、全30銘柄中9銘柄が上昇しました。なかでもエヌビディア[NVDA]が1%以上上昇したほか、アメリカン・エキスプレス[AXP]も1%近く上昇しました。そのほか、ゴールドマン・サックス[GS]やアイビーエム[IBM]、アムジェン[AMGN]などが1%未満の上昇となりました。一方、21銘柄が下落し、なかでもボーイング[BA]は2%以上下落しました。中国が国内航空会社に対し、同社機の受け取り停止を指示したとの報道が売り材料となっています。そのほか、キャタピラー[CAT]、アマゾン・ドットコム[AMZN]、シャーウィンウィリアムズ[SHW]、マクドナルド[MCD]、ナイキ[NKE]が1%以上下落しました。

ダウ平均構成銘柄以外では、ビッグデータ分析のパランティア・テクノロジーズ[PLTR]が14日に北大西洋条約機構(NATO)と軍事契約を締結したことが好感され、6.2%高と大幅続伸し、S&P500構成銘柄の値上がり率ランキングでトップとなりました。クラウドストライク・ホールディングス[CRWD]は、アナリストによる目標株価の引き上げを受けて3.7%上昇しました。バンク・オブ・アメリカ[BAC]は、第1四半期決算で株式トレーディング収入や純受取利息収入が好調となり、EPS(1株当たり利益)が市場予想を上回ったことから3.6%上昇しました。シティグループ[C]も第1四半期決算で市場予想を上回るEPSを発表し、1.8%上昇しました。一方、ダウ[DOW]はアナリストによる投資判断および目標株価の引き下げを受けて4.1%下落しました。

5.為替・金利等

米長期金利は、前日から0.04%低い4.33%となりました。ドル円は143円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は、昨日の米国市場が小幅に反落した流れを受け小動きでのスタートが予想されていましたが、朝方の速報でエヌビディア[NVDA]が米政府によるH20チップの対中輸出制限により第1四半期中に約55億ドルの費用を計上すると発表し、同社株がアフターマーケットで急落していることを受けて、下方向への警戒感が強まります。日経平均は心理的節目の3万4000円を維持できるかがポイントとなりそうです。

なお、本日はオランダのASMLホールディング[ASML]の決算が予定されているほか、17日には台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング[TSM]やディスコ(6146)の決算も控えており、半導体関連株の値動きが活発となりそうです。また、本日日本時間21時30分には3月の米小売売上高の発表が予定されています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)