ハンセンテック指数の下落は相場の転換点を示唆
中国株の2025年2月28日終値~3月31日終値までの騰落率は、上海総合指数は+0.4%、香港ハンセン指数は+0.8%となりました。
香港ハンセン指数は1月27日から「ディープシークショック」という新たな追い風が吹き、目の覚めるような大幅高を演じてきました。ディープシーク(DeepSeek)が市場の話題となった前営業日(1月24日)終値と比べ、アリババ集団株(09988)は3月28日までに+55%、BYD(01211)+48%、小米(01810)+39%、快手科技(01024)+38%といった上昇になっています。ただし、これらの高値を付けたのは3月中旬で、BYD(01211)を除きすでに10~19%も下落しています。
ハンセン中国企業株指数(H株指数)の下げ方はまだ緩く、それでも3月19日の場中に9,211ポイントの高値を付けると、その日を0.15%安として陰線で引け、3月20日は2.33%安となり、出来高も大きく増えていました。そして続く3月21日も商い増を伴い2.32%安と大幅安に、1営業日置いた3月25日に再び商いを増やして2.65%の大幅安に見舞われました。最初に下げの芽が出てから4営業日が経過し、2月の急上昇後に高値でもみ合っています。
それでも株価は50日移動平均線を上回っており、上昇トレンドが崩れたわけではありませんが、ここまでの大幅上昇とは株価のトレンドが変わってきたことは明らかです。
ハンセンテック指数の方は少し下げが先行し、3月31日時点で50日移動平均線付近まで下がっています。高値を付けた日は、ハンセン中国企業株指数(H株指数)よりも前です(3月7日)。前回のコラムでも書きましたが、今回の強力な上昇トレンドは香港上場の中国テック株が牽引しただけに、ハンセンテック指数が大きく下がっていることも、一旦の相場の転換点にさしかかっていることを示唆している可能性があります。
ハンセンテック指数下落の理由
ハンセンテック指数が下落している理由について、もちろん、ここまでの急上昇に対する自律的な下落という側面はあります。中国に何か特別な悪材料があったわけではありません。ただこれまでは、関税やディープシークで米国が下げても欧州や香港は上昇、と二極化していましたが、その構図が崩れて、その流れが香港市場にも波及してきたような印象であるのが要注意だと感じます。
米国一強態勢の変動に繋がりかねないリスクを感じ始めた資産運用者が、これまで米国株一辺倒だったところから株を売り、金やディフェンシブ株、債券にリスクヘッジしています。またビットコインの下落にかけるオプション取引も急増しています。その一環でここまで上昇してきた欧州株や中国株も利益確定売りに押されているのではないかと思います。
上昇トレンドはキープしているものの、足元で流れに変化が感じられるところ
前述のとおり、時価総額が大きな主要銘柄はまだ上昇トレンドを保っているものが多いです。しかしその多くは52週高値から10%以上、中には20%超下落している銘柄も少なくありません。ほとんどは2025年3月中旬に高値を付けたばかりで、かなりの急落ぶりとも言えます。
一般に10%超下がると調整局面入り、20%超で弱気相場入りとも言われます。特にディープシーク後に最も急激に上昇していた金蝶国際軟件(00268)などのソフトウェア関連銘柄が高値から大きく下げている点に注目です。ソフトウェア関連銘柄はAI技術をサービスに導入しやすいとの理由から、ディープシークショック後に大きく買われていました。これらの銘柄が下げてきたことで、ディープシークの相場も一息付いた感があります。
また小米(01810)は2024年後半に最も上昇した銘柄の代表格で、2025年も大幅高となっていました。上昇相場を牽引してきた銘柄でしたが、増資発表を機に下げに転じ、相場全体もそこで下落転換しました。株価は同業他社、また同社自身の過去と比べかなり割高となっていたため、会社は新株を発行して売り、資金を調達するのが得策と判断した様子です。個別株においても、まだ上昇トレンドはキープしているものの、足元で流れに変化が感じられるところです。