【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 41,985.35  △32.03 (3/21)
NASDAQ: 17,784.05  △92.43 (3/21)

1.概況

先週末の米国市場では、主要3指数が揃って小幅に反発しました。朝方は、関税政策の不透明感がくすぶるなか、大手企業の決算内容が嫌気されて相場を押し下げましたが、トランプ大統領が関税について「柔軟性がある」と発言したことを受け、警戒感が和らぎ、終盤にかけては買いが優勢となりました。

ダウ平均は189ドル安で取引を開始し、下げ幅を広げていくと一時519ドル安まで下落しました。安値を付けた後は取引終盤にかけて下げ幅を縮め、プラスに転じた結果、最終的に32ドル高の41,985ドルで取引を終えました。また、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は92ポイント高の17,784ポイント、S&P500株価指数は4ポイント高の5,667ポイントで取引を終えました。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数は、全11業種のうちコミュニケーション・サービスや一般消費財・サービス、情報技術の3業種が上昇となり、特にコミュニケーション・サービスは1.0%上昇しました。一方で、8業種が下落となり、特に不動産と素材は1%以上下落しました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では、30銘柄中14銘柄が上昇となり、特にボーイング[BA]は3%超上昇しました。また、アップル[AAPL]が2%近く上昇したほか、マイクロソフト[MSFT]やジェイピー・モルガン・チェース[JPM]、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]が1%以上上昇しています。一方で、16銘柄が下落となりました。特にナイキ[NKE]は、決算とあわせて公表した売上高見通しが市場予想を下回り、5%以上下落しました。そのほか、メルク[MRK]やコカコーラ[KO]、ホームデポ[HD]、ビザ[V]、トラベラーズ・カンパニーズ[TRV]が1%以上下落しました。

ダウ平均構成銘柄以外では、米製薬会社のアルナイラム・ファーマシューティカルズ[ALNY]は、心臓薬の承認拡大を受け11.8%上昇しました。そのほか、テスラ[TSLA]は5.3%高、パランティア・テクノロジーズ[PLTR]は4.1%高となりました。一方で、半導体製造大手のマイクロン・テクノロジー[MU]は、第2四半期決算にて市場予想を上回る売上高、EPS(1株当たり純利益)を達成したものの、第3四半期の粗利益率の悪化見通しなどが嫌気され、8.0%下落してS&P500株価指数構成銘柄の値下がり率ランキングでワーストとなりました。また、物流大手のフェデックス[FDX]は、通期の業績見通しの引き下げを受けて6.4%下落しました。

5.為替・金利等

米長期金利は前日から0.02%高い4.25%となりました。ドル円は、149円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

先週末の米国市場で主要3指数が小幅高となった流れを受けて、本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。今週は特別大きな材料が予定されない中、方向感に欠ける展開が想定されます。国内では、27日(木)の権利付き最終日に向けた駆け込み買いが期待される一方で、引き続きトランプ政権の関税に関する報道には神経質となる展開が続きそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)