東京市場まとめ

1.概況

前日の米国市場における半導体株安を受けて、日経平均は反落して寄付きました。米国とイランの戦闘終結に向けた交渉の不透明感も重荷となる中で、方向感に欠ける展開となった日経平均は40円高の65,039円で前引けとなりました。

後場は大きく下げて始まりました。13時26分には、1,124円安の63,875円で、この日の安値をつけました。中盤以降は持ち直し、下げ幅を縮小したものの、最終的には306円安の64,693円で反落しました。

TOPIXは16ポイント安の3,902ポイントで3日続落、新興市場では東証グロース250指数が5ポイント高の832ポイントで3営業日ぶり反発しました。

2.個別銘柄等

村田製作所(6981)は一時13.8%高の8,899円をつけ、株式分割考慮後の上場来高値を更新しました。27日、アナリスト向けのミーティングを開催し、積層セラミックコンデンサー(MLCC)に対する需要の強さが示されたとの評価から、買いが優勢となりました。

コンサルティング会社のベイカレント(6532)は6.3%安の5,445円をつけ、大幅反落となりました。27日、外資系証券が同社の目標株価を従来の9,100円から6,700円へと大幅に引き下げたことが嫌気されました。アナリストは、人工知能(AI)は短・中期的にコンサルタント需要を支えるという見方に変更はないとしつつも、「AI実装が一巡した後のコンサル需要には不透明感が拭えない」と指摘しています。

スクウェア・エニックス・ホールディングス(9684)は5.2%安の2,565円をつけ、続落となりました。27日、主力ゲームタイトル「ドラゴンクエスト(ドラクエ)」シリーズの最新情報を公開したものの、発売時期は明らかにならなかったことに加え、業績貢献が大きいとみられるドラクエ12の発売にはまだ時間がかかりそうだとの見方から、売りが優勢となりました。

戸田建設(1860)は3.2%高の1,521円をつけ、反発しました。27日、国内証券が同社の目標株価を従来の1,850円から1,900円に引き上げ、これを材料視した買いが入りました。アナリストは採算の低い大型再開発工事の増加で利益率の改善が足踏みするものの「増収効果によって中期経営計画目標である28年3月期の営業利益435億円を達成する可能性が高まった」と指摘しています。

A&Dホロンホールディングス(7745)は3.3%高の2,789円をつけ、反発しました。27日、アクティビスト(物言う株主)として知られるストラテジックキャピタルが同社株を買い増したと伝わり、アクティビストによる経営改革や株主還元などの要求が強まるとの思惑が買いを呼びました。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は後場に売りが膨らみ、最終的には306円安で反落となりました。一時は、緊張緩和が期待された中東不安が再燃したことが投資家心理の重荷となりました。

明日に向けて、米国で発表される4月分のPCE(個人消費支出)価格指数が注目されます。市場予想では、コア指数における前年同月比は3.3%上昇と高止まりが見込まれ、インフレ上振れが示されるかが焦点と考えられます。加えて、コストコ・ホールセール[COST]、デル・テクノロジーズ[DELL]の決算発表が予定されています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)