急落後の戻りの強さの影響が現れてきた

東証グロース250指数がこのところ堅調に推移しています。日足のローソクは、2月4日から12日までに6日連続の陽線(六陽連)となり、TOPIXよりも一足早く、2024年8月の日本株全体が急落する直前の7月高値を超える可能性が高くなってきました。

これは、単純に考えると、急落後の戻りの相対的な強さの影響が今になって現れてきた可能性があります。

【図表1】東証グロース250指数:日足チャート(移動平均線 緑色:13週、橙色:26週)
出所:マネックス証券ウェブサイト(2025年2月18日時点)

例えば、東証グロース250指数の急落前の7月高値(695.11ポイント)から8月急落後の安値(485.02ポイント)までの下落幅は210.09ポイントですが、その後の戻り高値となった9月3日高値(680.57ポイント)までは93%の戻りを達成しました。

【図表2】TOPIX:日足チャート(移動平均線 緑色:13週、橙色:26週)
出所:マネックス証券ウェブサイト(2025年2月18日時点)

一方、TOPIXの急落前の7月高値(2,929.17ポイント)から8月急落後の安値(2,227.15ポイント)までの下落幅は702.02ポイントですが、その後の戻り高値となった9月3日高値(2,733.27ポイント)までは72%の戻りにとどまりました。

戻り高値を形成した後は言うまでもなく、長いもみ合い相場が続いているわけですが、先に頭角を現してきたのが東証グロース250指数なのです。瞬間的な戻りが強い方が立ち直りも早いのは納得できるストーリーなのですが、もう一点違いがあるとすれば、もっと長い動きから考察することができます。

長い下落相場後の「たくり足」

2023年の夏場につけた高値以降の動きをみると明確です。TOPIXは2023年6月頃に上昇が一服した後も相対的に底堅く推移し、2024年の上昇相場につながっていきました。そして2024年7月には史上最高値を更新しました。

【図表3】TOPIX:月足チャート(移動平均線 緑色:13週、橙色:26週)
出所:マネックス証券ウェブサイト(2025年2月18日時点)

一方、東証グロース250指数は2023年の6月高値(864.77ポイント)を起点に下落相場を辿っていました。2020年10月高値(1,365.49ポイント)からのより大きな下落相場が続いていたことになります。

【図表4】東証グロース250指数:月足チャート(移動平均線 緑色:13週、橙色:26週)
出所:マネックス証券ウェブサイト(2025年2月18日時点)

両指数ともに、2024年8月の急落を通じて、月足ローソク足は「極端に長い下ヒゲ(下影)」のあるものでしたが、教科書通りの底入れを示す「たくり足」になったのは、東証グロース250指数の方だった可能性が高いのです。たくり足は、日中(週、月)の途中で大きく売り叩かれたものの、終値では始値付近まで戻して終えた足型です。

東証グロース250指数は「極端に長い下ヒゲの陽線」、TOPIXは「極端に長い下ヒゲの陰線」でした。陰線や陽線に大きな違いはないですが、とにかく買い方の振るい落としによって形成されるこのパターンは、大きな下落相場をこなした後に出現するものと、上昇相場をこなした後に出現するものとでは、解釈の違いがあります。

東証グロース250指数の場合は長い下落相場の末期に生じた「ダメ押し」の意味合いが強く、長い下落相場の終焉を意味する動きだったといえるかもしれません。