【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 44,546.08  ▼165.35 (2/14)
NASDAQ: 20,026.77  △81.13 (2/14)

1.概況

先週末の米国市場は、高安まちまちとなりました。寄付き前に公表された1月の米小売売上高は前月比0.9%減と市場予想以上に下落し、昨年終盤から堅調な伸びを示していた米国消費の減速が示されました。米国消費の予想以上の落ち込みを受け、景気敏感株や消費関連株の一角に売りが広がり、指数を押し下げました。

9ドル高で取引を開始したダウ平均は、57ドル高の44,769ドルで高値を付ける場面もありましたが、伸び悩むとその後は軟調な推移となりました。最終的にダウ平均は165ドル安の44,546ドルで取引を終え、反落となりました。また、S&P500株価指数は0.4ポイント安の6,114ポイントで取引を終え、小幅に反落となりました。

一方で、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は、81ポイント高の20,026ポイントと3日続伸し、1月23日以来の2万ポイント台回復となりました。

2.経済指標等

1月の米小売売上高は前月比0.9%減となり、市場予想(0.2%減)以上の減少となりました。一方、前月の結果は速報値の0.4%増から0.7%増に上方修正されています。また、自動車を除いた米小売売上高は前月比0.4%減で、0.3%増の上昇を見込んだ市場予想に反して減少となりました。ただし、こちらも前月の結果は、速報値の0.4%増から0.7%増に上方修正されています。1月の米鉱工業生産指数は前月比0.5%上昇で0.3%上昇程度を見込んだ市場予想を上回りました。1月の米設備稼働率は77.8%となり、市場予想と前回結果を上回りました。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち情報技術やコミュニケーション・サービス、金融、エネルギーの4業種が小幅に上昇しました。一方で、7業種が下落となり、特に生活必需品とヘルスケアは1%以上下落しました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では、30銘柄のうち8銘柄が上昇しました。特に、エヌビディア[NVDA]が2%以上上昇したほか、ゴールドマン・サックス[GS]やシスコシステムズ[CSCO]、アップル[AAPL]、アメリカン・エキスプレス[AXP]が1%以上上昇しています。一方で、22銘柄が下落となり、なかでもプロクター・アンド・ギャンブル[PG]が4%以上の下落となりました。また、アムジェン[AMGN]とトラベラーズ・カンパニーズ[TRV]が2%近く下落したほか、メルク[MRK]やユナイテッドヘルス・グループ[UNH]、ハネウェル・インターナショナル[HON]なども1%以上下落しています。

ダウ平均構成銘柄以外では、メタ・プラットフォームズ[META]が1.1%上昇して、20連騰となりました。また、民泊予約サイトを運営するエアビーアンドビー[ABNB]が、第4四半期決算で売上高とEPS(1株当たり純利益)が市場予想を上回ったほか、アナリストによる投資判断と目標株価の引き上げも伝わったことで、14.4%上昇してS&P500株価指数構成銘柄の値上がり率ランキングでトップとなりました。そのほか、TV向けストリーミングプラットフォームを運営するロク[ROKU]も、第4四半期決算が市場予想を上回り、14.1%上昇しています。一方で、半導体製造装置のアプライド・マテリアルズ[AMAT]は、第1四半期決算で市場予想を上回るEPSを達成したものの、第2四半期の売上高の見通しが市場予想に満たず、株価は8.2%下落しました。

5.為替・金利等

米長期金利は前日から0.06%低い4.47%となりました。ドル円は、円高方向に進展して、152円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は、先週末のダウ平均の下落の流れを引継ぎ、軟調な出だしとなりそうです。こうしたなか、日経新聞電子版は16日の記事で、日銀が次回3月の金融政策決定会合からレギュラー出席者を増やすことに関して、「上場投資信託(ETF)の売却への布石」の側面があると報じました。直ちに本格的な売却の実施が行われることは現実的ではない一方で、報道を意識した売りが警戒されます。

また、個別では、トランプ大統領が輸入自動車への関税強化措置を4月2日ごろから課すことを検討しているとの発言をしていることから、自動車株の値動きに注目が集まります。こうしたなか、日経平均は3万9000円台を維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)