【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 44,368.56  ▼225.09 (2/12)
NASDAQ: 19,649.95  △6.10 (2/12)

1.概況

昨日の米国市場は高安まちまちとなりました。寄付き前に公表された米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回る結果になると、インフレ再燃への懸念からFRB(米連邦準備制度理事会)の利下げペースが鈍化するとの見方が広がり、株式市場では売りが優勢となりました。

ダウ平均は235ドル安で取引を開始し、一時489ドル安まで下落しましたが、下値の堅さが意識され、取引後半には下げ幅を縮小しました。最終的に225ドル安の44,368ドルで取引を終え、3日ぶりに反落しました。S&P500も16ポイント安の6,051ポイントとなり、3日ぶりに下落しました。

一方、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は6ポイント高と小幅に反発し、19,649ポイントで取引を終えました。

2.経済指標等

2025年1月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.0%上昇と市場予想を上回って前月の2.9%から伸びが加速しました。また、変動の激しい食品とエネルギーを除くコア指数も前年同月比3.3%上昇と市場予想を上回って前月の3.2%から伸びが加速しました。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち生活必需品とコミュニケーション・サービスの2業種が小幅に上昇しました。一方で、エネルギーや不動産、素材などの9業種が下落となり、なかでもエネルギーは2%以上下落しました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では、30銘柄のうち14銘柄が上昇しました。特に、ボーイング[BA]が3%以上上昇したほか、アップル[AAPL]やコカコーラ[KO]、ナイキ[NKE]、ウォルマート[WMT]が1%以上上昇しました。一方で、16銘柄が下落となり、なかでもキャタピラー[CAT]とホームデポ[HD]が2%以上下落しました。また、アマゾン・ドットコム[AMZN]やシャーウィンウィリアムズ[SHW]、シェブロン[CVX]など7銘柄が1%以上下落しています。

ダウ平均構成銘柄以外では、総合ヘルスケアのシーブイエス・ヘルス[CVS]が市場予想を上回る売上高、EPS(1株当たり純利益)を公表し、15%近く上昇してS&P500株価指数構成銘柄の値上がり率ランキングでトップとなりました。また、インテル[INTC]が7%以上上昇して大幅続伸となったほか、パランティア・テクノロジーズ[PLTR]は4%以上上昇、テスラ[TSLA]は2%以上上昇しています。メタ・プラットフォームズ[META]は、17連騰の0.8%高となり、過去最高値を更新しました。一方で、ヴァーティブ・ホールディングス[VRT]は、第4四半期決算にて、市場予想を上回る売上高、EPSを達成したものの、第1四半期のEPSの見通しが予想を下回ったことが嫌気され、9.7%下落しました。

5.為替・金利等

米長期金利は前日から0.09%高い4.62%となりました。ドル円は、円安方向に進展して、154円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

昨日の米国市場では、米CPIの予想上振れが重荷となり、ダウ平均は反落しました。ただ、下値では堅さが意識されたほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は小幅に反発しました。こうした中、日経平均先物が、ドル円の円安基調が支えとなり、夜間取引で180円高の3万9180円まで上昇していることから、本日の日本市場も上昇してのスタートが期待されます。

日経平均は3万9000円台を回復後、その水準を維持できるかが注目されるなか、国内長期金利やドル円の動きをにらみながらの展開となりそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)