トランプ関税に対する日本のリアクションに注目

トランプ米大統領は1日、メキシコとカナダからの輸入品に25%の関税をかけ、中国には追加で10%の関税を課す一連の大統領令に署名した。週明けの東京市場は、この報道に対するリアクションが注目される。

ただ、これは事前に想定されていた範囲内で驚きはない。加えて1月31日の米株式市場はすでにこのニュースを織り込んでいる。東京市場の反応も限られたものになるだろう。

先週末、ダウ平均は朝方に2024年12月につけた最高値を上回る場面があったものの、午後にトランプ政権による関税実施が伝わり結局反落し、前日比337ドル安の4万4544ドルで終えた。同時刻で取引されていたシカゴの日経平均先物も下落し、前日比230円安の3万9355円で終えた。週明けの日経平均はこの水準を意識して200~300円安程度で始まりそうだが、その程度の下げでとどまれば、下値は堅いと見た買戻しが徐々に入るのではないかと思われる。

米国では重要な経済指標の発表が相次ぎ、企業決算は日米ともに佳境

今週は月初とあって米国で重要な経済指標の発表が相次ぐ。3日に製造業PMI(確報値)、4日にISM製造業景気指数、5日にJOLTS求人件数、ADP雇用者数、サービス業PMI(確報値)、コンポジットPMI(確報値)、6日にISM非製造業景気指数、週次新規失業保険申請件数、そして週末7日に雇用統計が発表される。これらの指標はいずれもこれまで堅調さを示してきた。その流れが続けば再び米国金利が上昇し、米国のハイテク株には重石に、ドル円にとっては円安に働く。日本株にとっては好悪両面の要素となる。

企業の決算発表は日米とも佳境を迎える。米国では特に注目度が高いのは4日のアルファベット[GOOGL]、5日のクアルコム[QCOM]、6日のアマゾン[AMZN]あたりだろう。日本では3日の村田製作所(6981)、みずほフィナンシャルグループ(8411)、4日の三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、任天堂(7974)、三井物産(8031)、三菱重工業(7011)、パナソニック ホールディングス(6752)、5日のトヨタ自動車(7203)、6日の東京エレクトロン(8035)、伊藤忠商事(8001)、三菱商事(8058)、NTTデータグループ(9613)、日本製鉄(5401)、7日のNTT(9432)、三井不動産(8801)などが注目決算である。

通期業績の上方修正や株主還元の発表が続けば再び4万円を試す展開もあり得ると、決算発表への期待は根強いものの、これまでのところは残念ながら全体としてはパっとしない状況である。日経予想ベースの日経平均の今期予想EPSは横ばいのままである。これでは株価が上値を試すのは難しい。今週の決算発表後半戦に期待したい。

予想レンジは3万8800円~4万200円とする。