今週は米国の利下げの行方が注目材料

日本では先週に日銀会合が開かれ利上げが実施されたが、今週は欧米で金融政策の会合が開催される。29日にFOMC(米連邦公開市場委員会)、翌30日にはECB(欧州中央銀行)の政策金利発表がある。 FOMCでの利下げは見送られる公算が高いものの、トランプ大統領からの圧力に対してパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が記者会見でどのようなコメントをするか非常に注目されている。

トランプ氏はスイス・ダボスでのWEF(世界経済フォーラム)年次総会(ダボス会議)でオンライン形式で演説し、サウジアラビアなどOPEC(石油輸出国機構)に原油価格引き下げを求めるほか、金利の即時引き下げをFRBに要求すると表明した。その後もパウエル議長と面会して話す意向だと語っている。

欧米の中銀ウィークである今週はあらためて米国の利下げの行方が市場の注目材料になるだろう。

日米両方の決算発表に注目

米国企業の主要決算は、28日にゼネラルモーターズ[GM]、ボーイング[BA]、29日にアイビーエム[IBM]、メタ・プラットフォームズ[META]、マイクロソフト[MSFT]、テスラ[TSLA]、 30日にキャタピラー[CAT]、アップル[AAPL]、インテル[INTC]、ビザ[V]、31日にシェブロン[CVX]、エクソン・モービル[XOM]と佳境に入ってくるが、なかでも注目はメタ、マイクロソフト、テスラ、アップルなどビッグテックの決算であることは言うまでもない。 前述の通り、FOMCでは利下げ見送りとなって米国金利が低下すれば、ハイテク株の追い風になるだろう。決算を契機にビッグテック株が上昇すれば、日米ともに株式市場ではリスクオン地合いが強まると考えられる。

ただし、FOMC現状維持⇒米国金利低下となった場合、円高に振れるリスクがあり、その場合、日本株の重石となるリスクは念頭に置きたい。

国内でも決算発表が本格化する。27日にファナック(6954)、29日には三井住友フィナンシャルグループ(8316)、信越化学工業(4063)、アドバンテスト(6857)、30日にはキヤノン(7751)、武田薬品工業(4502)、 OLC(4661)、31日には日立製作所(6501)、キーエンス(6861)、第一三共(4568)、デンソー(6902)、富士通(6702)、小松製作所(6301)、商船三井(9104)、レーザーテック(6920)などが決算を発表する。

上場企業の好業績が確認できればレンジ相場の上限である4万円の大台を上放れることも可能だろう。今週から来週にかけて日米企業の決算発表に注目したい。

予想レンジは3万9000円~4万1000円とする。