東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は5日続落となりました。前日の米国市場にてダウ平均が続伸したことが支えとなり、247円高の38,721円で取引を開始した日経平均は、直後の9時2分に300円高の38,774円まで上昇するも、その後は利益確定の売りに押され上げ幅を縮小する展開となりました。10時ごろには下げに転じるも持ち直し、前場は154円高の38,628円で取引を終えました。

後場は前日終値である38,474円付近で、一進一退に推移するも14時ごろから、今晩の米CPI(消費者物価指数)の発表を前に買い手控えられ、14時45分には158円安の38,316円で本日の安値を更新しました。安値では押し目買いも見られ、最終的には29円安の38,444円まで下げ幅を縮小し大引けとなりました。

新興市場では、東証グロース250指数が続落、0.9%安となりました。

2.個別銘柄等

東宝(9602)が4.6%高の6,329円と5日ぶりに大幅反発で取引を終えました。14日に第3四半期決算を発表し、売上高にあたる営業収入が前年同期比15.3%増となる2,341億円、営業利益は26.9%増の528億円と好調な企業業績が好感されました。また決算を受けて、国内証券会社による目標株価の引き上げも買い材料となりました。

SHIFT(3697)は12.5%高の21,120円と大幅反発となりました。14日の第1四半期決算にて、当期純利益は前年同期比80.7%増の19億円と大幅増益となったことを発表し、また米系企業2社との業務提携と海外事業支援サービスを開始すると発表したことによる期待感も株価を支えました。

タマホーム(1419)は一時10.2%安の3,085円まで下落し、昨年来安値を更新する場面が見られました。14日に発表した第2四半期決算で、通期の当期純利益を従来予想から78億円下方修正する14億円を見込むとし、一転して大幅減益となる見通しが嫌気されました。

ベイカレント(6532)はストップ高となる14.0%高の5,684円で取引を終え、6日ぶりに反発しました。14日に発表した第3四半期決算にて、営業利益は前年同期比18.8%増の287億円と好調な企業業績が買い材料となりました。生成AIの導入支援をするコンサル事業案件が伸びたことが増収増益につながりました。

ファナック(6954)が5.7%高の4,378円と大幅続伸となりました。外資証券によってファクトリーオートメーション(FA)業界の投資判断を引き上げられたことが買い材料となり、キーエンス(6861)も3.8%高の64,450円と反発で取引を終えました。

そのほかの銘柄では、米Googleと資本業務提携を発表したnote(5243)がストップ高となる18.9%高の628円まで上昇、ニンテンドースイッチの後継機が16日も発表されると伝わった任天堂(7974)が一時3.2%高の9,626円まで上昇し上場来高値を更新する場面が見られました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は、イベント前に持ち高を調整する動きが多く5日続落となりました。市場は今晩の米CPIに注目しており、インフレの減速感が確認できるかが焦点となります。前日のPPI(生産者物価指数)は市場予想に反して減速が示されました。ヘッドラインのCPI前月比は0.4%で前回11月から0.1ポイントの上昇と小幅に伸びの加速が予想されている中で、PPI同様に減速が示されるかに注目です。

また、米国の金融業界の決算が相次いで発表される予定で、バンク・オブ・ニューヨーク・メロン[BK]、ブラックロック・ファンディング[BLK]、ジェイピー・モルガン・チェース[JPM]、ウェルズ・ファーゴ[WFC]、ゴールドマン・サックス[GS]、シティグループ[C]の決算発表が予定されています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)